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更新2019.12.28

令和元年の年末に、改めてドラレコの必要性を考えてみた

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ryoshr

2019年の年の瀬が迫って来たこの時期、今年のクルマネタを振り返ってみると、やはり「煽り運転」に関するニュースが目立った印象が強い。ただ、個人的に思うのは、今年に入って急に煽り運転が増えたというわけではなく、ドライブレコーダーの普及によってそれらの行為を記録する機会が増え、さらに、SNSを中心とした動画の共有方法が多様化・簡易化されたことで、一気に表面化したということではないかと筆者は推察している。

一般社団法人 電子情報技術産業協会の統計によると、2019年度上半期(4〜9月)におけるドライブレコーダーの出荷台数は2,397,388台(業務用・コンシューマ用を含む)。ちなみに、2018年度が1,651,075台、2017年度が848,252台だったことを考えると、たしかに急激な伸び率であることは間違いなさそうだ。

テレビのワイドショーなどでも多く取り上げられた、常磐道の恫喝および暴行の事案はあまりにも極端な例だとは思うものの、軽微なものも含め「煽り運転」はこれまでもあったように思うし、何なら自分の胸に手を当ててみて、身の潔白を証明できるかというと疑問符がつくことも自覚しているつもりだ(告白)。

筆者の体験した昭和の「煽り運転」


ドライブレコーダー ryoshr

おそらく…。いやきっと、世のなかに自動車の数が増え、交わって通る「交通」という概念がうまれた瞬間から「煽り運転」は存在していたのではないか。そんな風に思えてならない。ここで、筆者の体験した昭和の「煽り運転」をちょっとだけ紹介しておく。

今から30年以上前。…つまり元号は平成ではなく、昭和。確か深夜のできごとだった。関東のとある県内の県道(片側1車線、センターラインは黄色)を弟とドライブしていた。当時は実家住まいだったので、あのときは父親のクルマを深夜に拝借して乗り回していた頃だったと思う。さぁ、もう帰ろうかというとき、たしか制限速度が50km/hの道を若干超える程度のスピードで走っていたところ、後ろから猛然とパッシングされた。

当時、若葉マークの小型セダンを運転する学生だった筆者はどうすることもできず、そのまま走った。今から考えれば路肩に寄せ、そのクルマを先に通せばよかっただけなのだが…。その後もある程度の煽り運転が続き、対向車の切れた直線に差し掛かったとき、件のクルマは筆者が運転する小型セダンを追い越して前に入り、急ブレーキを踏みつつ、車体を斜めに停め、通せんぼした。やがてドライバーが降りて来て、運転手側のガラスを叩きながら何かわめいていたが、当方がひよわな学生だとわかって諦めたのが、すぐに戻って猛然と走り去って行った。もしもあのとき、ドライブレコーダーとYouTubeがあれば…。きっと「バズった」だろうし、そのドライバーは何らかの罪に問われていたかもしれない。

白状すると、実は筆者が加害者側だったこともある。バブルまっただ中の六本木のメイン道路だ。週末のバイトを終えたら深夜になっていた。終電を逃したため、先輩の家に泊めてもらうことになった。先輩も筆者もかなり疲れていたので、早く帰ってビールを飲んで寝たかった。しかし、当時の六本木通りは、なんと三重駐車のタクシーのせいで通行止めのような状態だったのだ。中央寄りの車線にもハザードランプを点けたタクシーが停車して客待ちをしていたほどだ。

しかたなくしばらく待つ…。ピクリとも動かない。そのうちパッシングをする。やはりピクリとも動かない。さらにクラクションを鳴らす。それでもピクリとも動かない。ついにしびれを切らした先輩が運転席を飛び出し、前のタクシーのドライバーに詰め寄る。タクシードライバーから「センターライン超えて抜かして行け」と言われた先輩は…。何はともあれ、ようやく六本木を脱出できた。似たようなことは数回あったように思う。まったく褒められたものではないが、煽られる側にも問題があった例として紹介してみた次第。

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では、なぜ人は煽るのか?


ドライブレコーダー ryoshr

前述の「昭和の煽り運転」と「令和の煽り運転」の本質は大きく変わっていないと筆者は考えている。それはつまり、煽る側の理屈・心理としては「正義は我にあり」と思っている、あるいは思い込んでいるからだ。多くの場合、法律上正しくないことの方が多いが、それよりも自分の考えや倫理観を優先させる人もいて、正義感の現れこそが「煽り運転」の本質ということだ。

「深夜の県道では制限速度を大きく超えた速度で走ることが正しい」とか「幹線道路の中央より車線を塞いで停車するのは悪い」など、客観的には判定しづらい理屈によって煽り運転が発生するのではないだろうか。

自衛のためにもはやドライブレコーダーは必須だ


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前置きが長くなったが、今回は特に煽り運転対策としてのドライブレコーダのススメだ。「煽り運転」に対する自衛的な視点において、後方で発生した異変が前方に移動するケースがほとんどということを考えると、やはり後方カメラは必須だ。

今ほど普及する以前、ドライブレコーダー黎明期の頃は前方のみ撮影するタイプが多かったように思う。タクシー向けの業務用は、後方というよりも客席(後席)を撮影するタイプもあったが、多くの民生品は前方のみ、しかも視野角も狭く、撮影される範囲は今と比べてかなり限定的だった。

しかし、最近ではリアカメラ付きのでも1万円以下という、手の届きやすい価格帯にドライブレコーダーも増えつつある。そして、フロントのカメラの視野角は驚くほど広くなり、左右のできごともしっかりと録画されるようになってきた。

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筆者としては最低でもリアカメラ付きをオススメしたい


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…というわけで、筆者のオススメはリアカメラ付きのタイプだ。

例:【2019年最新版】ドライブレコーダー 前後カメラ 1080P フルHD ドラレコ SONYセンサー 4.0インチ 広角170° 32GBカード付き 高画質 Gセンサー 駐車監視 ループ録画 WDR 日本語アプリ
https://amzn.to/35Q2HuY

価格と性能のバランスを考えると、中国製品も選択肢に入ってくる、という意味で5000円台で入手可能な本製品を例としておすすめした次第。筆者はこのドラレコを、友人の愛車と実家で免許返納を拒んでいる父のクルマに装着した。電源を標準のソケットから取れば、フロントガラスに装着する本体の取り付けは本当に簡単で、配線の取り回しをどうするかで手間が変わってくる。リアカメラの取り付けは車体の形状によってはアレンジが必要なケースもある。

この手のタイプのものは、フロントカメラの裏に大きな液晶画像がある。さらにリアカメラから伸びている赤いケーブルをバックランプの配線と結線すれば、バックギアに入ったときに、リアカメラの映像が液晶全体に表示されるモードにもなり、とても便利だ。

ただ、リアカメラからフロントカメラまで配線を通さないといけないのだが、内装の隙間を通すのは、カーオーディオを自分で取り替えたりという経験がないと少し大変かもしれない。

その一方で、製品の保証という意味では日本製に軍配があがる。筆者は以前ユピテル製のドライブレコーダーを装着していたが、この製品にリコールがあった。筆者はユピテルではユーザー登録をしていなかったが、アマゾンの購入履歴から交換の案内をしてくれた。これは海外からの通販ではなかなかやってもらえないサービスだ。このリコールのよって筆者は新しいドライブレコーダーを手に入れることができた。こういうことと、マニュアルの正確さと丁寧さを考えると日本製も捨てがたい。もはやトレンドは前後カメラから360°ではないかと思えるほど進化が早く、また信頼性という点においても「いざというときにきちんと記録している安心料」だと思えば、数万円単位の出費もやむなしといわざるを得ない。

まとめ:煽り運転のターゲットにされてしまったときは…


ドライブレコーダー ryoshr

ひとたび煽り運転のターゲットにされてしまったときは、自分の身を守るために、リアカメラ付きのドライブレコーダーの装着をオススメしたのは前述の通りだ。しかし、このドライブレコーダーが効力を発揮するのは、煽る側があきらめて立ち去るか、警察署へ駆け込むなど『無事にそのデータを取得できた後のハナシ』であって、煽られている最中は記録する以外は何の効果もないことはご理解いただけると思う。

よって、まずは煽られないことが大切なのだ。煽りがちなクルマの見分け方は筆者の過去記事「『煽られたらどうする』よりも『煽られないために』を考えてみる」を参照いただきたい。
https://current-life.com/life/about-p-car/

この記事の後半にもある通り、『煽るクルマのドライバーの正義感のスイッチを入れるような走りになっていないか』を常に意識した方がいいように思う。

最近、特に煽り運転のターゲットになるのは『右側車線をゆっくり走ること』だ。

片側2車線以上の道路の中央より車線は「追越車線」だと決めつけている人がいる。確かに高速道路などでは追越車線ではあるが、そうでない道路ももたくさんある(首都高もそのひとつ)。

左側の車線が空いているにも関わらず、右側車線を制限速度以内で走ると、煽り運転のスイッチが入る後続車がいることを理解して欲しい。あなたの行動の良し悪しではなく、煽りがちな後続車がどう思うか、が大事なのだ。「相手がどう思うか」ということが重要という点においては、セクシャルハラスメントとちょっと似ているかもしれない。

そしてもう一つ。煽らない、ということ。今度は逆に先行車が「煽られた」と思ったら、それはもう「煽り運転」とジャッジされ厳罰が下されてしまう日が来る可能性がある。とにかく急がず、遅いクルマに追いついてしまった場合には、あきらめて、車間距離をあけ、そのクルマがいなくなるのを静かに祈るしかない。

煽る後続車、煽りのきっかけとなる先行車、そのいずれもが、自分の思い通りにはならないとの悟りが「交通」における必要な心構えであることが明確な時代となったわけだ。

年末年始、普段は運転しない人もハンドルを握る機会があるかもしれない。それはつまり、自分と運転のペースが違う人が路上に増えるということを意味する。そう、「悟りの心」で煽ったり煽られたりしませんよう、お祈りしております。

[ライター・撮影/ryoshr]

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