
カーゼニ
更新2016.12.12
我が複座戦闘機ロードスターは、コストコの買い出しでも使えるのか?

伊達軍曹
その後、老義母の病院送り迎えこそあきらめたものの、中年草野球部の道具一式や釣り道具の運搬には成功し、複座戦闘機はごく普通のファミリーカー(?)としても使えなくもないことを見事に証明した。それゆえ「向かうところ敵なし!」とも思える我がロードスターなのだが、実は意識的に対決を避けていた難敵がいる。
コストコである。
便利でモノもいいコストコだが、商品サイズはかなり巨大
コストコ。正確には「コストコホールセール」とは、ご承知のとおりアメリカ生まれの大型会員制倉庫型店舗だ。公式サイトいわく「高品質な優良ブランド商品をできる限りの低価格にて提供する会員制倉庫型店です。(中略)幅広い品揃えに加え、専門店としての便利なサービスをも備えており、お買い物をより一層お楽しみいただけます」とのことだ。

出典:https://ja.wikipedia.org (photo by Stu pendousmat)
そこで売られているモノは「さすがはアメちゃん」というか、基本的にすべてが巨大である。輸入肉は巨大なブロック。日本近海で捕れた魚もアメリカ~ンな量にてパッケージング。本国プライベートブランドの日用品は当然巨大サイズで、日本メーカーのそれも、業務用ラインなのかコストコスペシャルなのかは知らぬが、町の薬屋さんでは絶対に見ないサイズのそれである。
しかし何かと便利であり、そしてPB商品も実はけっこうクオリティが高いため、不肖軍曹家ではその川崎倉庫店を愛用している。特にPBのトイレットペーパーは非常に具合がよろしく、カー用品売場にある「Scott SHOP TOWLS ORIGINAL」なる青いペーパータオルも、クルマ関係だけでなく家事全般に使える汎用性の高い逸品である。あと、いわゆるプレミアム焼酎もけっこう安い。
決して楽勝ではないが、なんとか積めることを実証
そんなこんなの品々を数カ月に一度ぐらいのペースで買い出しに行くのだが、問題は前述のとおり「すべてが巨大」ということだ。
輸送機カングーがあった頃は気にもしなかった問題だが、いざ戦闘機だけの生活になってみると、「……あのアメリカ~ンなサイズの商品群を果たしてロードスターに積めるのだろうか(いや積めるはずがなかろう)」と、弱気になってしまうのである。
だが弱気になろうとどうなろうと、家の日用品在庫というのは息をしてさえいればそのうち尽きるもの。そしてコストコ品質に慣れてしまった不肖筆者は今さら町の薬屋さんとかで買い物をする気もあまり起きないので、とにかくコストコホールセール川崎倉庫店に行くしかない。NAで。
ということで行ってきた。

カートの上段に入っているのは比較的小さなサイズの品々で(それでも日本の薬屋さんとかで買うモノよりずいぶんデカいが)、下段に巨大ペーパータオルを積んでいる。非常に具合がよろしいPBトイレットペーパーは、「……これらに加えてあの巨大トイレットペーパーはどう考えても積めねえだろ」という冷静な判断に基づき、今回は不買とした。人生、ときにはあきらめも肝心である。
で、積んでみた。楽勝であった。


いや、「楽勝」というのはさすがにオーバートークで、実際はちょいと難儀した。小物類(といってもデカめだが)をトランク内に収容すると、巨大ペーパータオルを積むスペースがどう考えても残っていないのだ。しかし直方体のパッケージをそのまま積もうとするから場所がないだけで、細切れのスペースはそこかしこに残っている。じゃあバラせばいいじゃんということで、その場で外側のビニールパッケージを破壊し、ペーパータオル単体ごとを細切れスペースに押し込んだ。完璧である。
入り切らないペーパータオルやその他小物を入れた2つのエコバッグは、幌を開け、運転席背後のなんと呼ぶのか筆者は知らないスペースに置いた。もちろんそのままでは走行中に吹っ飛んでしまうため、なんと呼ぶのか知らないバーに結んでくくりつけた。これまた完璧である。


ドライバー1人で行けば巨大トイレットペーパーだって積める!
それでもまだ収容しきれていないアイテム類はある。クーラーバッグに入れた生鮮食品と、中型の箱に入った包丁セットである。これらの処理も簡単だ。不肖わたしが抱えて運転するわけにはいかないが、パッセンジャーに抱えてもらえばいいのである。

完璧だ。完璧としか言いようがない。
今回はパッセンジャーの座るスペースを考慮しなければならなかったため、非常に具合のよろしい巨大トイレットペーパーの購入はあきらめた。だがもしも筆者1人で買い物に行くのであれば助手席スペースもまるごと積載場所として使用できるため、理屈のうえでは「NAロードスターで行ってもコストコの巨大トイレットペーパーは購入可能」ということになる。
ただそれはあくまで理屈であって、コストコ大好きなパッセンジャー(家人)を自宅に置き去りにし、筆者のみがコストコに行った場合のその後の惨事を考えると、実際には運用不可能な理屈といえるだろう。
いずれにせよ不肖筆者とNAロードスターは、またもや「日常」に対して大勝利を収めた。無論、お子さんがいらっしゃる家庭ではなかなか難しいというか事実上不可能だろうが、もしもそうでないのであれば、「複座戦闘機」はファミリーカーでもあり得ることを証明したのだ。……ちょっと大変は大変ですけど。

▲箱根大観山にて勝利の雄叫びをあげる筆者近影
[ライター/伊達軍曹]