ライフスタイル 更新 2017.07.23 公開 2016.10.21

結局「旧車はお金持ちが趣味とか見栄で乗るクルマでしょ」といわれたら?

何処か、そういうイメージも持たれているような気がしませんか?世間一般のイメージも含めて。

旧車というと、数十年前のスポーツカーというイメージがあるかもしれませんが(確かにそれも間違っていないとは思います)、先日のアンケート結果にもありましたが、日常の足として使っている方もいらっしゃるのです。取材される方は趣味性の高いクルマになりがちなので「結局、旧車はお金持ちが趣味とか見栄で乗るクルマでしょ?」と思われるのかもしれません。

実際に旧車オーナーさんに取材する機会が多々ありますが「ラクして乗っている人はほとんどいない」が現実のように思えてなりません。実体験や実録を基に、そのあたりを紐解いていきたいと思います。

旧車を乗るために何かしら犠牲を伴っている


旧車 増税

月々のおこづかいの節約にはじまり、公私に渡る飲み会の回数制限、奧さんが外出しているあいだのお子さんの子守り、イヤな仕事でも引き受けて頑張る…等々。聞けば聞くほど涙ぐましい努力をしている方ばかりです。なかには、家族用のサンダルは全員クロックスだけど、自分のだけはホームセンターで買ってきた500円のそっくり品…というオーナーさんも実在しました。

ここまでは既婚者の話しですが、独身者だってそれなりに苦労をしています。「クルマ趣味 > 結婚」で」悩んでいる人も大勢います。彼女がエアコンなしのクルマに乗ってくれないから…と、気を利かせたつもりでレンタカーのプリウスでデートに出掛けたら、「そんな無駄遣いする人とは結婚できない」といわれた独身男性も実在します。スーパーでの買い物も19時過ぎの特売品を狙い、百戦錬磨のおばちゃんと夜な夜なバトルを繰り広げています。好きな言葉は「おつとめ品」。親御さんが知ったら「こんな子に育てたつもりはなかったのに…」という嘆きが聞こえてきそうですが、少なくとも甲斐性はあるわけですし、まだまだ所帯を持つチャンスはあると信じたくなります。

旧車を乗るのはやせ我慢?少なくとも見栄だけでは乗れない


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筆者もかつて1970年代のクルマを所有したことがありますが、見栄だけでは乗れないことを肌身で感じていました。エアコン(クーラーを含む)、オーディオ、パワステ、パワーウィンドウ等々の快適装備は一切なし。いまならスマホで代用できますが、カーナビなんてもちろんありません。当時はマップルにも大変お世話になりました。地図作りのプロフェッショナルが集い、かなり煮詰められたうえで作られていることをこのとき初めて知りました。自らの実体験からも、旧車を乗るのはある意味やせ我慢の美学といえるかもしれません。

仮に500万円の予算でポルシェを買おうとしている人がいたら、30年前の930カレラより中古のカイエンの方が比較にならないくらい速くて快適でラクチンです。よほどのヘンタイでない限り、中古のカイエンの方が、後々幸せ(?)になれるかもしれません。

いま乗っておかないとこの先は旧車に乗れないかもしれないという危機感


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この危機感をお持ちのオーナーさんが非常に増えています。今後もありうる度重なる増税、海外への流出による価格高騰、純正パーツの欠品および確保、エコカーの台頭…。何だかネガティブな要素ばかりです。それは同時に「危機感」を煽ることになります。つまり、いま乗っておかなければ、未来永劫本当に夢物語で終わってしまうかもしれないという、ある種のリミットを感じさせるのです。懐事情は決して良いわけではないけれど、頑張ればどうにかなる。その危機感が、いままで躊躇していた気持ちを一歩前へと進ませる原動力となっているように思えてなりません。

これはベテランのクルマ好きに限らず、若い世代の方も同様の危機感を抱いています。「小学生のときに見たクルマをいまのうちに乗っておきたい」と、高校生になってからアルバイトでコツコツと貯めたお金で旧車やネオクラシックカーを手に入れているのです。若いだけに、キャッシュでは買うことができず、思い切って組もうとしたローンが通らないことも少なくありません。きちんと両親を何度も何度も説得して手に入れている20代のオーナーさんもいます。頭が下がる思いです。

家族の一員としての旧車の役割


ある一定の年月を超えると、クルマもペットのように家族の一員となるようです。先日取材した20代で先代トヨタ センチュリーを所有する女性は、父親が独身時代から乗っていたクルマを受け継ぎました。30年近く前のセンチュリーの雰囲気をそのまま残し、本当に大切に乗っていることに驚かされました(しかもフルオリジナルです)。幼少期に家族旅行に出掛けた思い出のクルマを自分の愛車にできるなんて、ちょっと嫉妬してしまったくらいです。

毎年の税金も2年に一度の車検もすべての維持費は女性オーナーさんが払っています。決して楽ではないようですが、もうここまでくると維持費や税金云々といった理由では手放せなくなるみたいです。

仲間とのコミュニケーションツールとしての旧車


結局「旧車はお金持ちが趣味とか見栄で乗るクルマでしょ?」といわれたら?

喜びも悲しみも仲間とともに。旧車に乗らなければ出会えなかった人、場所、ショップの存在など。旧車に乗る楽しみと醍醐味のひとつに仲間の存在を挙げる方が本当に多いです。それは月に1回のミーティングで出会うだけの関係もあれば、家族ぐるみで旅行に出掛けるほど親密になった方まで。お互いの苦労が分かるだけに、打ち解けるのが早いのでしょうか?

ツーリングだけでなく、忘新年会をはじめとする飲み会を頻繁に開催している方も少なくありません。下手をするとツーリングよりも飲み会の方が多いという場合も…。実は「クルマ好き同士のオフ会&飲み屋で繰り広げられる「あるある会話」20選」と、「クルマ好き同士の飲み会で御法度な10箇条とは」という記事も、そんな実体験から生まれたものです。だいたい同じようなことではないかと…。

結論:旧車はお金持ちが趣味とか見栄(だけ)で乗れるクルマではない!


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これまで何人もの旧車オーナーさんを取材し、筆者自ら身銭を切ったうえで出た結論。それは「旧車はお金持ちが趣味とか見栄(だけ)で乗れるクルマではない」ということです。

オーナーさんによっては「一時預かり人」という考えの方もいらっしゃいます。オリジナル、モディファイ、レストモッド、接し方や楽しみ方は人それぞれ。何より天気の良い日には旧車を動かし、仲間との交流を図り、コンディション維持に精を出しています。確かにあり余るほど大金があれば、レストアを施し、新車同然に甦らせることも可能でしょう。しかし、それが転売目的だとしたら?完成したから飽きたのでポイでは、あまりに寂しいような気がします。

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いまや、日本にあるクルマのコンディションは良好なものが多いという認識は世界でも知られています。何度も繰り返しますが、いちど日本を後にしたクルマを呼び戻すには数倍の手間と労力とお金が掛かります。「一時預かり人」という価値観や考え方を押しつけるつもりは毛頭ありませんが、できれば日本国内に留まるような働きかけをしていきたいものです。

それから…。旧車は人生を豊かにしてくれる存在だといえます。街や高速道路のパーキングエリアで気になるクルマを見掛けたら、思い切ってオーナーさんに話し掛けてみてください。よほど急いでいない限り、かなりの確率で気さくに対応してくれます。これも実体験なので、自信をもっていえます。

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