よもやま話 更新 2017.01.10 公開 2017.01.10

年末恒例?珠玉の一台「シトロエンXM-S」に乗って、2016年を締めくくる

改めてまして、本年もよろしくお願いいたします。プライベートは喪中だったのと、やや最後の方、力尽きてふさぎ込んでいたようなこともありましたが、比較的静かな年末年始を過ごしておりました。2016年は、振り返るとずいぶん破れかぶれな一年だったようでありながらも「その割にまとまった印象」もあり、今までにない一年でした。そう思うとなかなか悪くなかったのかなという評価も自分ではできるようにも思える一年でした。

開けて、連日の穏やかな天気の中、初詣というほどではないですが、毎年恒例の葉山森戸神社に家族で「ご挨拶」に行ってきましたが、引いたおみくじも「大吉」。表面的にはいい滑り出しができているのではないでしょうか。

結構秋口から年末にかけて「よもやまネタ」拾ってあるのですが、なかなか発信できていない事は、私の不徳の致すところであります。

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前年末は試乗記コーナー向けでしたでしょうか、1300㏄のカローラ、ビジネス向けグレードに大田区のアウトレーヴさんで乗せていただきましたね。年末恒例ということでもないのですが、この年末も実は珠玉の一台に乗せていただくことができました。

それはシトロエンのフラッグシップXMです。しかもベースグレード「XM-S」の左ハンドル、正規輸入されたクルマの25000kmの個体です。初期型の後半に追加設定されたXM-Sはほかのグレードではカラードバンパーやアルミホイールなどが装備されるのですがそういった装備は省かれます。機関的には他グレードでは、左ハンドル車の場合、セルフセンタリングという「あくまで真ん中に戻そうとする仕組み」が付きます。普通のパワステにも増して「努めて、遅滞なく、大至急中心に戻そうとする」のです。これこそが当時のXMの売りだ、としてこの装備必須とするファンもいます、が、どのみち製造から四半世紀、設計からするとさらに時間のたった現在、これは御多分に漏れず「故障リスクの温床」になるわけです。

そもそも、シトロエンのフラッグシップモデル。こんなものなくても、オーソドックスなパワステそのものが秀逸なのです。見方によっては新鮮すぎる素材をしゃぶしゃぶにするときによく抱きがちな気持ち「これ生のまま食べてもおいしそうなんだけど・・・」に似ていますね。エンジンはオートマチックとの組み合わせを最優先に日本仕様を仕立てた当時のカタログ構成上、他の選択肢がなかったといってもいい3リッターSOHCエンジン。シトロエンのフラッグシップモデルを多数集め、単なるコレクションではなく、そのキープコンディションにこだわった前オーナーのスペースの問題から断腸の思いで放出された一台だというXMのベーシックモデルに少し試乗させていただくことできたので少し記したいと思います。

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まずエンジンをかけて、ハイドロシステム、エンジンのスタンバイから、内装のコンディションなどに至るまで、その程度の良さは、常軌を逸しているといってもいいかもしれません。エンジン始動は一発で的確。妙なビビり、ブレもほとんどありません。記し忘れました、ドアの「ばすっ」と閉まるさま。まるで新車のようです。蝶番、ドアの金具、受けなどもすべて更新されているのかもしれません。例の「ねちゃねちゃ」したような内装のほころびもありません。唯一経年を感じさせるのは、オートマのポジションランプ。液晶の文字かけ。これも恒例の症状であまり深刻なものだとは思いませんが、「P」が「F」になっていました。まあ、ここはポール・フレール先生へのオマージュということで(意味不明ww)

シトロエンは停止状態ではフロアがフラットに、ペタンこになって「佇みます」。エンジンをかけるとにょにょっと起き上がり、ルーフがフラットになり、それこそ真横から見たところはダブルシェブロンを横にしたような「ベクトル」や「さあ行くぞ!」というモビリティの意欲のようなものを感じさせるフォルムを周囲に呈するのです。決して動物のようではありません。いつの時代もあくまでもメカニカルな雰囲気でありながら、そういう自然界の感動にはないエモーションを見るものに感じさせる。この個体もDレンジに入れるや否やステアリングを通じて「走る意欲」「旅への誘い」をドライバーにもアピールしてきます。

しかし、XMの醍醐味はやはりなんといっても「ベルトーネで切り取られた窓からの車窓の移ろい」ではないでしょうか。走り出すといつもの道の風景がきりっと凛々しく、どこかシャープな印象になるから不思議です。しかし、かなり大きく切り取られたその窓ですが、ドアミラーとAピラーの位置関係からミラーが一部見切れるのです、大きな窓なのに、運転に支障があるわけではないにせよ、死角があるのはちょっと愉快なことでした。

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走り出すとなるほど滑空感、フラットな乗り味は秀逸。何にも似ていないものでした。大田区の狭い住宅街の路地も、今となっては絶対的には幅広くも長くもないので、確かにホイールベースは長いものの、取り回しとしては悪くありません。例のセルフセンタリングなしのパワーステアリングもむしろ自然なフィーリングで好感触。エンジンは「今は昔」のV6SOHCエンジン。トルクの出方を大事にした昔のヨーロッパの高級車の流儀を受け継ぐものです。トルクが担保されていると、もともとエンジンをそれほど回す必要はありません。「多い方がいい」かもしれませんが、「少なくても困らない」のがトルクフルなクルマのオートマの段数。4速オートマに不満を感じることがありませんでした。

多摩川の河川敷を少し早めのペースで流すくらいがこのクルマにはちょうどいいのです。私が乗っていたBXとも似た文脈のピッチングを呈します。実に心地よい。しかしもっと上等。面がとれているというか角が丸い、柔らかさがあるのです。しかしシャープ。でもこのクルマアピアランスよりはずっとオーセンティック。おそらくシトロエン流の「当然」がハイドロニューマチックサスペンションに端を発する技術でしょう。フラッグシップのモデルでは、それの咀嚼(そしゃく)が進み、実にマイルド。実に良識的に感じられるものでした。

でも結局は、何にも似ていない、プリンシパルな快適性。説得力には気高さを感じさせるもの。数時間のドライブは、とてもスウィート。まだ見ぬフランスの風土が感じさせるスマートなエスプリとはこういうものだろうか。そんなスタイリッシュな甘さを感じさせます。でもあくまでもシンプルなベーシックグレードXM-S。なるほどこのクルマの良さが裸でわかるようなところと、こんなシンプルでも決してさみしくない世界感。XM-Sはなるほどありだと思いました。

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シトロエンXM、実は私の憧れのクルマです。一度乗ってみたい。一度所有してみたい。おそらくCXの後継というよりは少しだけSMの後継というキャラクターも兼ね備えたどこか洒脱で、粋なサルーン。自分にはちょっと過分だろうか?照らし合わせると照れくさい。そのくらいカッコいいと思うのです。このクラスで憧れはW124ではなく、シトロエンXMの方だと今でも思うのです。しかし、今今、私がこの車を買うかというと、ちょっと難しいと思うのです。価格は150万円、その価格はXMとしてはかなり高価な方だと思うけれど、このコンディションのこの個体であれば法外にバーゲンだと思う。のにもかかわらず、甲斐性のない私には金がない。という実質的な状況もあるが、それがクリアになったとしても難しい問題だと思うのです。

それは、今の私はマセラティ430のオーナーだから。まったくベクトルは違うものの、同じ類のクルマなのです。しかし430を売って買うかというとそれも悩ましい。違いすぎるし違わなすぎるのです。おそらく430の代替えとしては一番ない選択肢かもしれない。そう思うのです。だから万が一ありうるとすれば「増車」でしょう。しかしそれは現実的には難しい。嗚呼この個体もとっとと売れてほしい。誰か引き取ってほしい。だからこそこう思うのです!

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憧れというのは手に入らないもの。そう簡単には。僕にとっては夢を見るようなもの。シトロエンXMとはそんなクルマだといってもいいかもしれません。だから、年の瀬の西日に染まった街の中での珠玉のXM‐Sとともに過ごしたひと時は夢のようなひと時だったのです。

でも、欲しいな。このXM-S。。。

アウトレーヴの「XM-S」はこちら

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