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コラム

更新2018.12.07

「冬場の地域猫対策」体験談。暖を求める地域猫とクルマを守りたい私の攻防戦

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糸井 賢一

紅葉が終わりを迎え、朝晩はめっきり冷え込むようになりました。暖を求める地域猫の動向が気になる季節の始まりです。

ボンネットコンコン、猫バンバン



▲夏はクルマの陰に、冬はボンネットやエンジンルームにと、猫はクルマが大好きだ

オーナーがクルマから離れた後、まだ暖かいエンジンルームに地域猫がこっそりと入り込み、そのまま寝てしまう。戻ってきたオーナーがエンジンルームに猫がいることに気付かず、また猫もオーナーがクルマに乗り込んだことに気付けずに、エンジンが始動してしまったらどうなるか? 驚いた猫は、エンジンルームから逃げようとするでしょう。その際、なにかの拍子で回転するファンベルトに巻き込まれれば、命に関わる大怪我を負います。JAFによれば年に数回は猫がエンジンルームに入り込むトラブルが発生し、出動するそうです。


▲ボディを軽く叩くひと手間で、救える命があるかもしれない

こうした事態を未然に防ぐべく、数年前よりJAFと日産は「クルマに乗る前にはボディを軽く叩く」運動(「ボンネットコンコンキャンペーン(JAF)」、「猫バンバンプロジェクト(日産)」)の啓蒙活動を行っています。SNSでの拡散もあって、この行為は広く知れわたりました。近年になると「それだけでは不十分」と、ボディを叩く行為と一緒に「耳を澄ましてエンジンルームから物音や鳴き声が聞こえないか確認する」、「ボンネットを開けて確認する」よう声があがっています。猫に関わるトラブルを防ぐ意識は、年々高まっているようです。


▲危険なのは自宅の駐車スペースだけじゃない。観光地の駐車場でも注意は必要

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市販グッズや、ちまたに伝わる猫対策手段の無力さよ!



さて、クルマの保管場所が青空駐車場であったり、カーポートの下であったりすると、地域猫問題は人ごとではありません。幸いエンジンルームに猫が入り込んでいたことはないのですが、実家で暮らしていた頃はいつもボンネットで地域猫が寝ており、ボディのあちこちに付けられるツメのあと、フロントガラスへのスプレー(ナワバリを主張するためのオシッコ)に悩まされていました。ひどいときはフロントガラス全体がスプレーまみれになっていて、これが臭うのなんの! オシッコの成分だって、ボディや排水経路の負担になっていたでしょう。

「ボンネットに乗らないでもらう方法はないものか?」

私自身、猫を飼っていることもあり手荒な手段は取りたくありません。まずは大手のカー用品ショップにおもむき、猫の苦手な香りを放つという猫よけグッズを購入。さっそくボンネットやフロントガラスに設置します。「これでもう大丈夫!」と、すっかり高をくくったのですが…。数時間後、数匹の猫がボンネットの上で寝ている姿を目撃し、グッズはこれっぽっちの効果もないことを思い知らされます。安くなかったのにっ!

次に「猫はコーヒーが苦手」という話を聞き、行きつけのコーヒーショップに赴いて「コーヒーを抽出した後の出しがら」をわけてもらいます。愛車の回りを囲むように散布し、「今度こそ大丈夫!」と、再び高をくくるのですが…。そんな私の目の前で、地域猫がコーヒーの出しがらに近づいて香りを嗅いでみせ、ためらうことなくボンネットに飛び乗りました。これもダメかっ!

猫が苦手な香りといえば、やはり柑橘系の香り。ミカンの皮から出るオイルもまたボディにダメージを与えますが、試しにボンネットとフロントガラスへ設置してみます。結論からいえば効果はあり、ミカンの皮から15センチ以内に猫が近づくことはありませんでした。15センチ間隔でミカンの皮を置けば、あきらめてくれるかもしれません。いやいや、ちょっと現実的じゃないでしょ…。

ほか、ヘビのオモチャや風車などいろいろと試したのですが、効果があっても数分のこと。1時間もすれば猫はボンネットで寝ています。

「外界と完全に隔離できるガレージでもないと、どうしたって猫は乗る」

そう悟った私は、フロントガラスへのスプレーはあきらめ、せめてボディへのキズを防ごうと古い毛布をボンネット上に敷きました。車から離れると、地域猫はすぐに古毛布へと飛び乗り…気がつけばこれまで見たことのない数の猫が、思い思いの姿で寝ていました。


▲猫が身近にいない人からすれば、きっとすごく猫くさいクルマだったでしょうね

そんな日々が10年ほど続いたでしょうか…。私は愛車ごと、実家から現住所へ引っ越します。この辺りにも地域猫はいますが、暖かい場所が多いのでしょうね。ボンネットで猫が寝ている姿は一度も見かけていません。面倒からは開放されましたが、それはそれでさみしくもあります。

ちなみに実家の地域猫の後日談ですが、私のクルマが無くなったからか、たまたま地域猫のナワバリ環境が変わったのか? 一時期ほど集団では訪れなくなったそうです。家族的には喜ばしいのでしょうが、今ひとつ釈然としないのは私の心が狭いからでしょうか?

地域猫対策グッズに効果があったケースも


私のとった地域猫対策は、現実的な効果をえられませんでした。しかし調べるとこれらの対策にも効果があったという報告もあり、試してみる価値はあるかもしれません。他にも薄めた木酢液や竹酢液を散布する、重曹や灰を散布して臭いを消すといった方法があげられています。玉ねぎをまくという方法もあげられていましたが、玉ねぎは猫だけでなく犬も食べることで食中毒をおこし、最悪の場合は死んでしまいます。確かに効果はある方法かもしれませんが、散歩中の犬が食べてしまうリスクや、その後におこるであろうトラブルを考えると、動物を飼っている身としてはオススメはできません。

香りの強いハーブを植えるという方法もあげられていましたが、ハーブは繁殖力がとても強く、近隣の植物に影響を与えることで問題となっています。プランターを使用するなどして繁殖しないよう注意する必要があります。化学薬品による忌避剤や超音波を放つ対策グッズも効果が報告されていますが、健康被害のおそれもあるため、扱いには注意が必要です。

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地域猫の少ない場所に駐車場を移す


駐車場(保管場所)を別の場所に変更できるのならば、地域猫の集まりづらい場所にクルマを逃がすこともできます。地域猫が集まる場所は、近くでエサを与えている人がいます。地域猫が「エサをもらえる場所から離れたくない」と考えるのは至極当然なことです。新しい駐車場を探す際には実際に近隣を周り、乾燥フードの破片やウェットフードの空き缶といったエサを与えられた痕跡のない場所を選びましょう。

地道に環境を変え続けることが一番、有効な手段?


猫対策グッズや対策方法について色々と述べてきましたが、地域猫を傷つけずにクルマに近づけさせないための最も有効な手段は「地道にクルマ周りの環境を変え続けること」のようです。家族で複数台のクルマを所有しているなら、まめに駐車場所を入れ替える。前後を逆にしてクルマをとめる。時折、ワイパーにレジ袋をはさんでおく。可能ならばクルマの周囲にコーンを置き、日々、設置場所を変える。等々…。猫は警戒心が強いため、環境がころころと変わると居心地が悪くなり、その場から離れていくそうです。それでも一度、居着いてしまった猫はなかなか立ち去ってくれないので、根気よく続ける必要があるみたいですね。

[ライター・画像/糸井賢一]

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