メンテナンス 更新 2016.08.30 公開 2016.08.30

あなたのクルマのバッテリー寿命はどのくらい?点検や症状などのバッテリー実証あれこれ

クルマの定期交換パーツの中で寿命の予測が難しく、不意のトラブルを起こしやすいのがバッテリー。ロードサービスのJAFの統計でも、バッテリーのトラブルは常にトップに君臨することからも、点検や交換のタイミングの難しさが分かるというもの。このバッテリー寿命は一般的に3、4年と言われているが実際のところはどうなのだろうか?国産車の場合、だいたいその辺のラインが標準的な目安とはなるが、使われ方で寿命が全く違ってくるので、同じクルマでも人によって5年以上持つこともあれば、1年でダメになってしまうことがある。

クルマのバッテリー寿命

クルマのバッテリー寿命
▲エンジンの掛かりが悪くなったBMW325iの7年使用後のバッテリー診断。バッテリー電圧12.29ボルトと低め。新品の満充電品なら12.7〜12.8Vほどある。エンジンを始動するための性能指標であるCCA(コールドクランキングアンペア)は233Aで、判定は電池要交換。

使い方によっては寿命が1年ということもあり得る


バッテリーは内部の化学変化で電子を溜めたり放出しているので、使われ方で疲労度が大きく変わるという特性がある。その条件は色々あって、バッテリー周辺の温度、放電の深さ(残っている電気の量)、充電の頻度や充電量のレベルなどが絡み合って来ている。寿命がグッと短くなる典型的な使用パターンは、放電した状態で長期間放置されるもの。バッテリー自身は放置していても充電量が自然に減るほか、クルマに付けていると待機時の微弱電流の消費で少しずつバッテリーが放電していく。取り外したバッテリーでも、半年〜1年くらい補充電しないまま放置すると、充電しても本来の容量が回復しなくなってくる。つまりバッテリーが小さくなったのと同じような状態になってしまうのだ。

ルームランプの消し忘れなどでバッテリー上がりを起こした場合も、性能が大きく低下してしまう。この時、救援してもらってから、短期間で充電器で補充電すれば元の性能に近くなるが、そのような極端な放電があるとダメージはかなり進行してしまう。

さらに普段乗っているクルマでも、低速、短距離の走行が主体で電装品の使用が多い場合は常に空腹状態になっているので、これも寿命が縮んでしまう。以前、毎年バッテリー交換しているという輸入車のデータを計測した時には、市街地走行ではほとんど充電されていないことが判明したことがある。そのクルマには後付カーナビ程度しか追加の電装品が付いていなかったが、計測器で各電装系の消費電流を測ってみると最も電力を消費していたのがラジエーターの電動ファンということが分かった。

そのクルマの場合、ボディサイズに対して大きめのエンジンを搭載していたこともあり、渋滞や低速走行で常に大電流を消費する電動ファンが回っていて、放電状態が走行時間の多くを占めていたのだ。つまり、走行したとしても満充電にされることはなかったのである。このような使い方だと寿命が1年ということがあり得る。

クルマのバッテリー寿命
▲エンジンを掛けると、オルタネーターという発電機からバッテリーに充電される。この時の充電電圧は13.5〜15V弱が正常で、測定したクルマでは14.08Vと正常値だった。充電状態はバッテリーに寿命を大きく左右する。(最近のエコカーはアイドリングでは充電を止めるものもある)。

長寿命になったケースとトラブル回避について


逆に、これも輸入車の話になるが7〜10年バッテリー交換しなかったという例もある。このような長寿命になったケースを分析すると、バッテリーのサイズが比較的大きく頑丈なことに加え、エンジンルーム以外のトランクなど涼しいところに設置されている車両が多いようだ。このために、エンジンの廃熱にさらされることがなくバッテリーにとって快適な温度に保たれ、かつ過放電を起こさないように使っていれば10年程度保つ場合もあるのだ。

先の1年でバッテリーが寿命になっていた輸入車のケースでは、定期的にバッテリー充電器をつないで補充電していれば、もっと寿命は長くなったと思う。普段使いしない、あるいは冬は乗らないというクルマを持っている人はフルオートのバッテリーチャージャーをつないでおくと寿命はかなり長くなると思う。

クルマのバッテリー寿命
▲交換用に買ったACデルコのバッテリー。上面左のラベルに各種性能値が記載されている。始動性能であるCCAは750/770である(規格が複数あり、数値が少し変わる)。比重計が付いているので、色でもある程度の判断はできるが、比重が正常でも寿命になっているものもあるので、最終的には計測器を使った判定がベストだろう。なお、装着時には使用開始日を記入しき、定期点検時の参考にする。
 
バッテリーの寿命は予測しづらいが、プロ用の計測器を使うと規定の状態から何%程度の能力になっていて、充電状態がどの程度かを知ることができる。マニアックな方にはCCAテスターなどと呼ばれる計測機器を持っている人もいるが、新品時から定期的に測っていくと、CCA値が徐々に変化してくるので急に起こる(と感じてしまう)バッテリートラブルを回避しやすくなる。

現在では、整備工場やカー用品店でもCCAテスターを備えているところがあるので、バッテリー診断をしてもらうと安心。テスターの機種によっては、エンジンを掛けた時の電圧変化や充電状態を計測できるので電装品の基礎部分をトータルで診断することが出来る。

クルマのバッテリー寿命
▲新品バッテリーの計測。バッテリー電圧は12.90V。CCAは710と良好な数値。新品バッテリーは、使っているうちにエージングされるので、使用初期は性能が上がっていくこともある。そういった微妙な性能変化も、このようなプロ用診断機を使うと分かってくる。

バッテリーが寿命になると出やすい症状とは


最後に、改めてバッテリーの寿命が近づいているときに起こる主な症状をまとめておこう。

〜バッテリーが寿命になると出やすい症状〜
・スターターを回している時の音が重たい感じがする
・スターターを回す瞬間メーターの警告灯がたくさん付く(バッテリー上がり時に似た症状)
・エンジン回転のアップダウンによる発電量変化、エアコンなどのオン・オフ時やブレーキを踏んでブレーキランプが点灯した時などに連動してライト類の照度変化やエアコンの風量低下が起こる。
・ラジオにノイズが入る。オーディオにヒューンという音が目立つ。
・アイドリングストップ車は、アイドリングストップ機能が働かなくなる。

バッテリーが寿命になってくると、満充電になりにくくなり大きな電流を流した時に電圧が下がりやすくなる。スターターを回した時に警告灯がついたりするのは、スターターがオンになった瞬間の大電流使用時の電圧降下で各種電装品の動作電圧下限になってしまい電装品(メーターのコンピューターなど)が再起動するためだ。また、バッテリーの容量が低下すると発電機の稼働率が上がり、発電機のノイズが増えることで電源に細かい変動が起こる。これがオーディオのノイズ発生につながることがあることも補足しておく。

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