更新2021.04.23
BMWの自動運転とは。性能からレベル別の開発状況まで解説
外車王SOKEN編集部
BMWの自動運転は、高い技術によってが開発が着実に進歩しています。ドライバーが操作せずに自動車が目的地まで運んでくれるというメリットがある自動運転ですが、その一方で、やはりどうしても自動運転を信用することが難しく、危険なのではという意見もあります。今回は、そんな自動運転技術がどのようなものなのかを取り上げながら、BMWの自動運転技術についてご紹介いたします。
自動運転とは
自動運転とは、ドライバーが運転をせずとも自動で動く自動車のシステムです。自動運転にも、ドライバーの操作が必要なものや、完全な自動運転など、異なるレベルがあります。完全自動運転システムが導入されると、行き先を指定しただけで勝手に動き出し目的地まで運んでくれるようになります。カメラやレーダー超音波センサーが作動し、周囲の環境を確認しながら動作するので、人が運転しているのと同じような安全性が期待できます。
BMWの自動運転の「レベル」とは
米国自動車技術者協会によって、「自動運転」の段階が設定されています。自動運転のレベルは0から5となっており、それぞれで定義によって定められ、現状、多くの車に導入されている のはレベル2～3程度の技術です。
各レベルでの定義は、以下の表のようになっています。
それでは、BMWの「自動運転」は、どのレベルまで進んでいるのでしょうか。
レベル1
「運転支援」技術は、BMWのどのモデルにも導入されています。安全性が高く、快適に運転ができるような技術です。
BMW導入されている技術は、「アクティブ・クルーズ・コントロール」などが挙げられます。前方にいる車両との車間距離を自動で調整し、衝突を予防します。
また、「被害軽減ブレーキ付き衝突・歩行者回避システム」の技術もあります。これは、衝突を予防するために自動ブレーキが作動する仕組みです。
BMWは、「事故予防・乗客保護」の分野において安全性監査機関から「ユーロNCAPアドバンスド・アワード」が授与されました。特に、被害軽減ブレーキシステムの性能について高評価を得ています。
レベル2
レベル2の部分的自動化は、既に最新BMWのモデルには搭載されています。
レベル2に導入されている技術は、「渋滞時ハンズ・オフ・アシスト」、「レーン・コントロール・アシスト」、「リモート・パーキング機能」などがあります。これらの「準自動運転補助システム」では、運転時のストレスを軽減してくれます。また、渋滞時などの一定条件において、ステアリングを任せることが可能となりました。
「部分運転自動化」技術が搭載されていても、ドライバーは運転操作を行いながら周囲への注意を払うことは忘れてはいけません。
レベル3
「条件付運転自動化」技術では、一定の条件であれば完全に運転操作を自動車に委ねることができます。BMWでは、「iNEXT」にレベル3技術を搭載させ、コンセプトモデルとして量産化することを目標にしています。
レベル3では、レベル2で紹介したような部分的な運転自動化ではなく、条件付での運転自動となります。例えば、高速道路での渋滞中にステアリング操作操作を自動的に行ってくれたり、時速130kmであれば車線変更を自動的に行ってくれたりする仕組みです。ただし、緊急時のシステムが作動した場合、ドライバーに危険警告が出た場合にはステアリング操作を確実にする必要があります。
レベル4
「高度運転自動化」技術は、より自動車の自動化へと磨きがかかります。ほとんどの運転操作を自動でできるようになり、都市部などの道路状況でも車が対処できる技術が導入されることが推測されます。
BMWでは、レベル4のテストを「7シリーズ」で行っています。現在まだ開発途中となっていますが、近い将来で実現されるのではないかと期待が集まっていることでしょう。レベル4の技術が取り入れられれば、視線を前方に注意していなくとも運転ができます。
ただし、ドライバーは、警告された場合に直ちに操作を自動運転から引き継ぐ必要があります。仮にドライバーが応えられない場合、路肩に車を停車したり、安全な状態へ運ぶ機能があります。この運転レベルにまで発展させるには「AI」の技術が肝心になってくると言われています。様々な道路状況、天候状況などにおいて自動車が判断して動く必要がありますので、「AI」がどこまでドライバーと同様な考えをもつようになるかが鍵となってきます。
レベル5
レベル5は、完全に運転を車に任せられます。運転免許が不必要になると考えられ、身体が不自由な人や高齢者でも自車で移動することが可能です。
BMWでは、レベル5の自動運転技術を市場に導入する開発を進めています。車がドライバーと同等のパフォーマンスを発揮できることが目標です。コンセプトカーを作り、実験を試みています。
BMWの自動運転対応状況
現状のBMWの自動運転への対応状況はどのようになっているのでしょうか。ここでは、現行モデルのBMWの自動運転への取り組みと価格について紹介します。
現在市販されているのはレベル2まで
BMWにおいて、現在商品化されているのはレベル2です。部分的な自動運転技術が取り入れられたモデルは量産され、ドライバーの運転をアシストしています。
ただし、今後は、レベル3の「一定条件下での完全自動運転」の導入されたモデルが量産化されるようです。近い将来、レベル3を取り入れて交通渋滞のストレスが緩和され、ドライバーにとって有意義で快適なドライブを楽しめます。
今後の自動運転レベルを発展させるには、より技術力を進化させていくことが課題です。「AI」の学習能力はもちろんのこと、センサー技術の向上、計算能力の向上など様々な点において今後の活躍が期待されます。
BMWレベル2対応車種と価格
BMWで販売されている「レベル2」の自動運転技術が搭載されているモデルについてご紹介いたします。
自動運転技術が搭載されているモデルは、以下の表のようになります。
*レーン・チェンジ・アシスト：対象外
ここまで、多くのモデルに導入されていることがわかります。ラインナップが幅広いと、購入を検討する幅も広がりますね。
車に搭載されているドライブ・レコーダーでは、走行時の録画が可能となりました。結果、様々な事故で想定されるリスクに対応することが可能です。安心して、ドライブを楽しむことができます。
BMWレベル2自動運転の操作方法
BMWで導入されているレベル2の自動運転は、どのように操作していくのでしょうか。レベル2の段階では、ドライバーに運転の責任があり、周囲の状況を確認した上で的確に反応していく必要があります。
レベル2に搭載されている「アダプティブ・クルーズ・コントロール」（ACC）の状態で走行していると、30km/h以下であれば「ハンズオフにしても大丈夫」というサインが現れます。その時に、ハンドル上にあるスイッチを押すことで、ハンズオフで走行が可能となります。スイッチを入れると、グリーンのライトが点滅し、ハンズオフ実行中であることをドライバーに伝えます。
システムが作動中にライトがイエローに変わると、ハンズオフの条件から外れドライバーが運転をしなくてはならい状態になります。
注意しなくてはいけないポイントとして、この「高速道路渋滞時ハンズ・オフ機能付き渋滞支援システム」は、渋滞時のみ適用されるので、仮に低速のスピードから速度が上がってくると自動的にハンズオフ機能は停止されます。
現在開発中のレベル3以上のモデルについて
日々進歩を続けている自動運転技術においては、レベル3以上のモデル開発が続けられています。国際基準の制定もされている中、世界各国でレベル3市場が作られていく時代に入ってきました。
BMWでは、レベル3以上のモデルについては市販されていません。しかし、2021年を目途にレベル4の自動運転技術を開発していく中で実際に販売しようという流れがあります。コンセプトとなる「iNET」にレベル3の技術を搭載し、量販化が計画されているようです。
レベル3の開発状況
BMWでは、レベル3を搭載したモデル「iNEXT」を量産開始する予定です。「Copilot」という自動運転技術で、手動運転モードと高度な自動運転を可能とするモードに切り替え出来る仕組みになっています。
2020年に入り、レベル3の自動運転の開発が解禁となりました。レベル3では、ドライバーがシステムの動作状況を確認したり、周囲の状況を確認したりする必要がなくなることがレベル2との違いになります。
「Copilot」では、「Boost」モード、「Ease」モードの2種類があり、手動運転であるか高度技術の自動運転を可能とするモードであるかの2点が選択できます。Easeモードでは、ハンドルが交代し、コクピットの空間が広がるという仕組みがあります。レベル4を想定した仕様となっている点も注目が集まります。
レベル4の開発状況
レベル4では、「特定条件下での完全自動運転」という規定があり、レベル3で設定されている「高速道路」という条件を払った「一般道路」と範囲が広がります。そのため、標識・対向車・建物・踏切などの様々障害物への検知や識別をする機能が必要となります。
BMWでは、レベル4の技術を組み込まれた「7シリーズ」を実験車として開発中です。
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