アイキャッチ画像
よもやま話

更新2023.11.22

「国産ガイシャ」マツダ アクセラ ディーゼルにて、秋田さんに会いに行く道中の試乗記

ライター画像

中込 健太郎

カレントライフではまあ書いたとしても、輸入車の試乗記くらいです。読者も輸入車の方が多く、経路が少し違うのかな。私自身もそう思いますが、編集部から断固言われているのです。しかし昔から「国産ガイシャ」国産車にあって国産車の感覚というより輸入車のそれに近いクルマというのが少なからず存在しています。今でいえばアクセラはその最右翼でしょう。先日お邪魔した京都府南丹市まで、取材のアシにアクセラの新しく追加になったディーゼルに乗りました。個人的にはかなり気に入ってしまいましたので、本編の試乗記のコーナーでははじかれたものの、よもやま話のコーナーに書いておくことにいたします。

そんなわけで、先日商品改良が入ったばかり、マツダアクセラに新たに加わった1.5XD。ガソリン2.0リッターが国内向けの設定がなくなり、グレードの中核を担うエンジンになった、このコンパクトなディーゼル車に乗って京都南丹市に出かけることにしたのです。

IMG_5633
▲ヘッドアップディスプレイも装備されない1.5XDは従来の2.0リットルガソリンエンジンのグレードに代わる中核のエンジンを搭載した、もっともベーシックな仕様。しかしこれでいい、というかこれがいいと思わせるさっぱりとしたクルマだった。秋田さんのガレージの前で。

img_20160827_173830

今回、アクセラにGベクタリングコントロールという微妙なトルク配分を常に行って、より自然に、滑らかに運転することができる制御が入ったことが話題の一つでした。「長距離でこそその真価がわかりますよ」というマツダの方のアドバイスもあり、であれば、大井松田、鈴鹿をはじめ、今や適度に流れ、しっかりストップ&ゴーも体感できる下道で京都を往復することにしました。移動日に丸一日を充て、東海道でじっくり堪能しました。カレントライフでは輸入車のライフスタイルWEBマガジンということもあり、通常はあまり国産車の試乗記は書きませんが、輸入車オーナーの方にも知っていただきたいという点、そもそもマツダ車の独特な「国産ガイシャ」のような立ち位置であるという部分。そして何より、片道500キロの旅のアシにしてよかったと思える重要な部分がこのクルマよる部分が少なくなかったという点でとてもこのクルマによるところが大きかったので、簡単にそのことも振り返りたいと思います。

img_20160825_152618

国道1号を進むと、ナビは浜大津から旧道を案内するではありませんか!逢坂山の中腹で派手な事故があり大渋滞だが、京阪が横を通るというのも、ここに来たという気になるし、まあ良しとしよう。

そのシャープなハンドリングで嫌な揺り戻しや、ステアリングの切り足しをほとんど要せず、実に直進性も高い。立て続けに押し寄せていた台風の影響で前方視界もままならないような豪雨にも見舞われたのですが、そんな時にもまるでドライ面でも走っているような安心感があるな、とひとしきりアクセラの進化に感心していたのは静岡を過ぎた宇津ノ谷峠あたりでした。ノイズの制御も今回施されており、エンジン音の大きく4種類ほど存在する周波数帯を重点的に抑制していて、走行中ドライバーの耳に入るうねり音が顕著に抑えられていることは、静かになった以上に、ドライバーに与える疲労感の低減にも寄与しているのだなということも、いつも通り日中の仕事を済ませ、夜になって出発するので、この時間帯ですと御殿場から沼津の近辺、箱根越えの周辺で一度仮眠をとるのが常でした。

img_5592
▲カタログ燃費では21.4km/リットルながら、おそらく「オール国道早めのペース」がこのクルマにとっては燃費のスイートゾーンとリンクするのだろう。割と難なく19km~21kmの間を指した。マニュアルトランスミッションのデミオと実質的にはさほど変わらない。今回Gベクタリングコントロールでトルクの「出力のさせ方、はべらせ方」に手を加えていることがもしかすると結果的に作用しているのかもしれないが、オートマチックの変則のマナーもやや改良前のものより改善されているという印象を覚えた。個人的にはこのエンジン、オートマチックのほうが好ましいと思う。マニュアルはガソリンの1500㏄あたりと組みまわせて乗るのが案外良いのではないか。それも機会を見て試したいところ。しかし、こういう選択、比較がメーカーの主力車種で、この21世紀の現在できること自体、とても贅沢なことなのかもしれない。何台もガレージにクルマを納めるなら、名だたる海外のクルマと並んで、一台がアクセラだとしてもさほど驚くには値しないことである。良くも悪くもアクセラはマツダ3の日本仕様だといえる一台ではないだろうか。

しかし、一気にここまで来れてしまったということで実感したりしていたところでした。そこに秋田さんからメッセージが入り「あさったは取材ですね。お気をつけていらしてください。明日はご連絡していた通りうちにお泊りください。友人も一緒に誘っています。うちで皆で食事をしましょう。」ということでした。SNS時代ありがちですが、よくコミュニケーションは取っているのです。しかし、初対面。そんな私にも、というかそういう私だからこそ、一つ踏み込んで人間的な距離を縮めようというのが秋田さん流なのかもしれません。こちらからするとありがたいことです。

img_5582
▲上級車種につく豪勢な低扁平率タイヤより、見た目も穏便な16インチのタイヤのほうが個人的には説得力があると感じた。何しろ上級仕様のそれは五月蠅い。クルマ全体が静かになっていることもあり、いつまでもロードノイズばかりがやかましい印象だ。乗り心地も好みもあるだろうが、ふさわしいと感じた。絶対的には大柄なキャビンにどこか滑稽な印象すらある、小さいホイール。先日クルマ好きの知人と、「ヨーロッパのクルマと酢豚はできるだけシンプルなものに限る」などと話していたのだが、ヨーロッパではなく日本の中国地方で造られるアクセラにも当てはまるようだ。

そしてこういう中で聞ける話が実は財産になるということは、私も少し知っているつもりでした。結局そのあと浜松の手前まで走り、少し休むことにしました。1.5リットルのディーゼル、アクセラではどうだろうか。先にコンパクトなデミオ(これは筆者も購入して足にしてきました)に搭載されていたエンジンです。不足なのではないか。そんな予想が杞憂であることは、すでに国道246号線大井松田の先あたりの登坂区間で、深夜に多数走っているトラック隊列を最低限の距離で追い越すときなどで、すでにわかっていました。十分以上です。これでも2000回転を超えたあたりからぐいぐいと背中を押してくるような加速を体感させてくれるのでした。

img_20160825_130452
▲台風が近づいてきていたこともあり、相当の風雨に見舞われた道中も、鈴鹿峠を越えて滋賀県に入るといい天気だった。ドライブの耐候性もぐんと向上した印象だ。

そしてこのエンジン、オートマチックとの方が相性がいいこともわかりました。小排気量ディーゼル、回っていれば一定のトルクは発生しています。しかし、変速時や、ストップ&ゴーの多い場面で、ところどころ「明確な出力トルクの谷」があるのです。トルクコンバーターはその影響を抑えてくれます。もちろん自分のペースで走る贅沢、わがままを味わわせてくれるマニュアルの楽しさはありますが、正直スムースに、速く走るのにはややコツを要するのです。それが要らないので、人に勧めるならデミオも含め、オートマチックでしょうし、個人的な好みの点でもオートマチックの方だと思ったのです。

img_5587
▲この広報車には目前のオーバーヘッドディスプレイがつかない。しかし正直猫も杓子も、な印象すらあるヘッドアップディスプレイ。視線を移動させなくともインフォメーションを見ることができる便利な代物なのはわかるが、なくてもいいなというのが個人的な感覚だ。これで不満に思うことがない、ばかりか、むしろ好感を覚えた。とはいえ、通常のクルーズコントロールなどは装着されるのだから、これでも装備レベは往年のルーチェならロイヤルクラシックレベルの装備レベル、最先端の装備を求めない、10年に一度の定期買い替えの際の選択肢であれば、さほど不満に感じる内容ではないというレベルのものはすべてそろっているのだ。

ざっくりガソリンエンジンの倍の熱効率があるディーゼルエンジンです。この1.5リットルと言うキャパシティも、最近の高効率エンジンではないものの、20年前くらいのSOHCで170~190馬力程度のパワーを絞り出していたガソリンのV6エンジンくらいのトルクの出方はあると思います。ボディも軽いので十分ですし、ボディもそういうクルマよりは軽いので不足なはずはないのです。燃費的には高速道路の巡航速度より少し下の時速60~80キロくらいの速度域で最良になるようでした。まさに今回のルートです。カタログ値にかなり近い1リットルあたり20キロを超える燃費も、この環境下では難なくたたき出すことが可能です。満タンで650キロから700キロくらいは無給油で余裕をもって走らせられます。京都くらいまでなら燃料代は3000円。シートもよくボディ全体も静かになり、疲労もありません。タイヤのノイズばかり目耳につくほどでした。240万円程度でこういうクルマが買える事、輸入車ファンの皆さんにもぜひ知っておいていただきたいところです。

img_20160825_133456

デミオのディーゼルよりもよくてほっとしました。デミオだってクラスの中ではかなりいいほうだと思います。しかし、全高に対して全幅が十分に広くカーブの時に車体の上部が振られる感じもより小さく、全体的に上質感がありました。そして小さなディーゼルはトルクの落ち込みをダイレクトにクルマのパフォーマンスに反映しない分、ギヤよりトルクコンバーターのほうがマッチしていると感じました。そして、京都、近いですね。コスト的にもディーゼルで下道利用なら片道3000円です。この3点だけは、特に皆さんに記憶しておいていただきたい点です。

まだ試乗のネタ溜まっているんだよな。近々また紹介しようと思います。

外車王SOKENは輸入車買取20年以上の外車王が運営しています

外車王SOKENは輸入車買取20年以上の外車王が運営しています
輸入車に特化して20年以上のノウハウがあり、輸入車の年間査定申込数20,000件以上と実績も豊富で、多くの輸入車オーナーに選ばれています!最短当日、無料で専門スタッフが出張査定にお伺いします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。