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コラム

更新2020.11.09

「アメ車」がいま、カッコイイ。その魅力やポイントに迫る

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外車王SOKEN編集部

シボレー・コルベット、カマロ、フォード・マスタング・・・アメリカの景気が良くなってきたのと歩調を合わせるかのように、アメ車がなんだか魅力的でカッコよく見えてきたような気がします。いよいよアメ車の復権なのでしょうか。いま、アメ車のどこが良くなったのか、どんなところがクールなのか。ちょっと考察してみました。
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以前は日本でも人気だった「アメ車」

バブルの時代は、BMWやメルセデスベンツが幅を利かせ始めていましたが、アメ車好きも多くいました。日本の外車マーケットはそれまで、外車と言えばアメ車、という時代もけっこう長く続いていたのです。ヨーロッパの香り漂うマスタングにするか、比較的手頃なカマロか、いやいややっぱりそこはコルベットでしょ、などと、クルマ好きの会話でよく話題になりました。その魅力に取りつかれて、思い切って手に入れてしまった、という人もいるのではないでしょうか。

しかしバブル以降、世界的な不景気や環境問題などでアメ車不遇の時代が続きました。最近になってようやく、GMが元気を取り戻したおかげもあってか、アメ車もどんどん見違えてきました。その代表格が、やっぱり冒頭にあげたスポーティカーたちです。何より、伝統のマッチョスタイルが、さらに洗練されて魅力的になり、本当にカッコ良くなりました。これまでは「ちょっとファストフード食べ過ぎじゃない?」と思うぐらい、マッチョというよりファットなイメージが、なきにしもあらずだったと思います。しかしそれがガラリと変わって、スポーツジムに通って鍛えたのか、と思うくらい均整が取れてシャープに、しかもグラマラスな「太マッチョ」になりました。

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ポルシェ911より歴史のある、コルベット

コルベットの最新モデルは伝統的なロングノーズ・ショートデッキのスタイルをさらに低く、ワイドに見せるシェイプになりました。フェンダーのエッジなどもキュッときかせて、シャープさを際立たせています。思えば、初代デビューは1954年。ポルシェが911の初代、901の本格生産を始めるのが1964年ですから、コルベットは世界的なスポーティカー・ブランドのひとつ。それが今なお、モダンなフォルムで走っているのですから、もはや感動モノです。ヨーロッパのGT3選手権や、日本のスーパーGTにも参戦していたので、レース好きにもファンは多いでしょう。

マッチョなイメージで乗りこなすなら、カマロ

アメリカン・マッチョの世界観に浸りたい、という人は、いまのベストチョイスはカマロになりそうです。ベル・エア、インパラの流れを受け継いだ、アメリカの伝統的なノッチバッククーペのフォルム。このフォルムを見ると、アメリカの映画でよくでてくるような、右手でハンドル、左手はドアに片肘のポーズでゆるゆるとクルマを走らせる、あんな感じで乗りたくなります。迫力満点のフロントの顔つき、そしてボディラインは一見すると直線的だけれども、適度な抑揚を描いたラインがグラマラスな印象です。特にドアのキャラクターラインからリアフェンダーにかけての盛り上がりは、鍛え上げられたマッチョな筋肉をイメージさせます。

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モダンデザインでよみがえった、マスタング

近年、フィアット500など、オリジナルのデザインを現代的にアレンジすることで再び人気になる車種が増えていますが、マスタングもそのひとつといえるでしょう。モダンなリデザインによって、いままた存在感を取り戻しました。前のめりに走っているかのような逆スラントのフロントノーズ・デザイン、それに呼応するかのようにスラントしたリアエンド。トヨタ・セリカも“リスペクト”した、その特徴的なデザインも現代の感性に合わせてリファインされています。まとまったデザインのため、写真などで見るとコンパクトに見えますが、実車を目の当たりにすると、やはり凄みのきいた迫力を感じます。

もはや貴重な、大排気量V8エンジンの魅力

そして、これまであげた全車に共通する、ほかの国のクルマにはない絶対的な魅力があります。それはエンジンです。アメリカン・スポーツといえば、5リッター、6リッターの大排気量V8が定番。その伝統を、この3車はいまもなお頑なに守り続けています。

いま、世の中の流れはエコロジー。最近、ヨーロッパではダウンサイジング・ターボへのスイッチが進められています。あのフェラーリも、458の自然吸気4.5リッターV8から、3.9リッターV8ターボにダウンサイジングした「488 GTB」を発表したほどです。アメリカのメーカーも、そんな世の中の風潮を知らないわけではないでしょうが、それでも、「ビッグサイズV8じゃなければ、アメリカン・スポーツとは言えないだろう」なんて設計者の声が聞こえてきそうです。そんなアメ車たちの反骨精神というか、誇り高き姿勢も、近年のアメ車がカッコよく見えるひとつの原因ではないかと思っています。

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プラグマティズムが生んだ「OHV」

さらにコルベットやカマロなどは、昔ながらのOHV・V8をいまだに使い続けています。いまだにOHV!?と驚く人もいるかもしれませんが、実はけっこう合理的なのです。DOHCなどと比べて上部のメカがない分、エンジン全体の高さが下げられます。ということは、ボンネットのフードもより下げたデザインにできます。コルベットのグッと低く構えたフロントデザインは、このOHVのおかげなのです。

さらにエンジン自体がコンパクトになりますので、レイアウトの自由度も高まります。コルベットの場合、エンジンをコクピット側に可能な限り寄せたフロントミッドシップを実現しています。いちばん大事なパワーの問題ですが、400ps、モデルによっては500ps近いものもあるため、基本的には充分すぎるほど。また、低速から充分すぎるほどのトルクが出ているため、さほど大きな問題になりません。それよりもDOHCにすることで大きく、重くなることの方が欠点だと設計者は考えているようです。

ウケの良いカタログスペックより、実質的なメリットを取る。まさにアメリカのプラグマティズム(実用主義、実利主義)の面目躍如といったところでしょうか。

そして、復権して欲しいもう一台

ここにあげた3台のほかにも、ダッジ・バイパーも復権して欲しいモデルのひとつです。いまはクライスラー・ブランドとなっていますが、やはり、アメリカン・マッチョの一台として魅力があり、根強い人気があります。2015年には会社がFCA(フィアットとクライスラーがひとつになった会社)になり、これからの攻勢が期待されています。親会社のフィアットでは、バイパーをベースにアルファロメオのショーモデルを作ったりしています。ですからその逆に、イタリアンデザインのカッコいい、「次世代アメリカン・マッチョ」が誕生してもいいのではないでしょうか。あわよくばと期待しています。

追伸:余談ですが、昔からのファンは、コルベットより「コーヴェット」の方がピンとくるのではないでしょうか。マスタングも同様に「ムスタング」ですね。

[ライター/外車王SOKEN編集部]

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