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オーナーインタビュー

更新2018.04.18

魅惑的な深紅のアルファロメオ「8C」オーナー、田中 洋一さんへインタビュー

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松村 透

「クルマが人(オーナー)を選ぶ」という視点でスタートしたこのコーナー。今回も、素敵なオーナーとクルマを取材させていただきました。

待ち合わせ場所に、乾いた排気音とともに深紅のアルファ ロメオ8C コンペティツィオーネ(以下8C)がすべり込んできました。

深紅のアルファ ロメオ8C コンペティツィオーネ

近くを歩いていたクルマ好きとおぼしき男性がすぐその存在に気づき、目を丸くしています。同時に、普段は気に掛けることなどないはずの道行く人(特に女性)が「こんなクルマがあるのね」という視線を投げ掛けます。

そこに存在しているだけで一瞬にして周囲の視線を独り占めにしてしまう、そんな魅惑的な8Cのオーナーが今回の主役、田中 洋一(たなか・ひろかづ)さん。端正なお顔立ちとファッショナブルな出立ち。8Cがとてもお似合いです。

深紅のアルファ ロメオ8C コンペティツィオーネ

"Luck is being ready for the chance.(幸運とは、チャンスに対して準備ができているということだ。)"という海外のことわざがあります。世界限定500台、日本への割当が70台前後と言われ、予約開始後すぐに完売。文字通り「チャンスに対して準備ができて」いなければ、この幸運を掴み取ることができない。8Cとは、まさにそんなクルマなのです。

アルファロメオ8Cを射止めた幸運なオーナー、田中さんの人物像。そして輸入車との接点に迫ります。



──まずは、田中さんのお仕事について聞かせてください。
メルセデス・ベンツ車の正規ディーラーにて7年ほどセールスを担当しました。現在は、家業である食品の製造・販売の仕事に携わっています。元々、イタリア車が好きだったんですが、当時、仕事にするならお客様の層が幅広いメルセデスのセールスになろうと思いこの道を選びました。最初のお客様は外務省勤務の方でした。その後、多くのお客様にメルセデスをお届けしましたが、やはりこの方との商談は忘れられないですね。ちなみに、このお客様とは現在もお付き合いをさせていただいています。

──現在の愛車を手に入れるきっかけとは?
学生時代、自宅に「アルファ ロメオSZ」というクルマがありました。私は、父が購入したこのSZが大好きでした。SZって、イタリア式のドライビングポジションで、日本人にはすごく合わせにくいんです。結局、このSZは手放してしまったのですが、いま頃どうしているのか…。その後、SZ以来となるFRのアルファ ロメオが出るという情報をキャッチしまして、それが8Cなんです。Tipo33ストラダーレの雰囲気も感じられるデザインにも惹かれましたね。

当時、私はフェラーリF355に乗っていたんですが、後継モデルである360モデナを運転してみて、正直しっくりこなかったんです。そこへ、8Cが現れた。デザインも好みだし、程よいボディサイズも魅力的。さすがに全幅はあります(1,900mm)が、全長が割合短い(8Cは4,280mm。360モデナは4,477mm)ことも魅力的でしたね。東京モーターショーに8Cのコンセプトカーが展示されたときは、インポーターの方を捕まえて質問攻めにしました(笑)。

──今の愛車を手に入れて良かった点、こだわり、苦労している点は?
●良かった点
8C独特の「音」でしょうか。特に気に入っているのは、中間域(3,000〜4,000回転)の吠えるような音です。F355とはまた違った音色ですよね。それと、マセラティやフェラーリと比べてコンパクトさが感じられるボディサイズ、他にはないデザインです。

●こだわり
当時は8C専用色だった「コンペティツィオーネレッド」のボディカラー、オプションのカーボン製パドルシフト、あとはシートパターンでしょうか。そして何より、8Cそのものがこだわりです。人とは違うものに乗っていたいという思いもありまして(笑)。この8Cは一生乗っていたいですね。

ボディコーティングにもこだわっています。ディーラーに勤めていたときの同僚がコーティングの仕事をしていて、単なる磨き作業ではなく、8Cのフォルムを引き立たせるような施工をしてくれるんです。彼は新車時の感覚も覚えていて、過度に磨いたりはしません。各部のカーボンパーツの磨き度合いのトーンなども合わせてくれるほどです。さらに、わざわざコモ湖(イタリア・コモ湖で開催されているクラシックカー・コンクール「 コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」)へ赴いて、世界でもトップレベルのコンディションを維持するクルマを見てくるような人なんです。仕事とはいえ、なかなかここまではできないですよね。

●苦労している点
気を遣う点です。あまりに気に入りすぎていて、傷をつけたくないのです(笑)。ある程度の飛び石は仕方ありませんが、停める場所には気を遣います。炎天下の路上には置きたくありませんし…。一回りして帰ってくることもしばしばです(笑)。

深紅のアルファ ロメオ8C コンペティツィオーネ
▲曲線が艶めかしい、色気すら感じさせる車内

深紅のアルファ ロメオ8C コンペティツィオーネ
▲一般的なヘッドレスト部分ではなく、肩の部分にアルファロメオのロゴが

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このアルファロメオ8cのインタビューのために膨大なリストアップ車を記したメモをご用意くださっていました。



──予算抜きで、欲しいクルマBEST3は?
(この膨大なリストアップ車を記したメモの中から、悩みに悩んで選んでいただきました)

3…メルセデス・ベンツ C36 AMG
ブレーキや足回りなど、走らせたときのフィーリングが好きなんです。後継モデルであるC43 AMGだとこの感覚は得られないんですね。クルマそのもののバランスが良いのかもしれません。実用的なボディサイズも魅力的です。

余談ですが、C36 AMGといえば…これはもう時効かな。価格設定を間違えて売り出しちゃったんです(笑)。

当初は1,000万円ちょっとの価格で売り出す予定だったんですね。それが何らかの理由で1,000万円を切った価格設定のまま、当時の正規輸入元だったAMGジャパンがプレスリリースを配信してしまった。気づいたときには手遅れ。「じゃあ、いいか」って(笑)、そのまま売り出してしまったんです。

そんな経緯があって、C36 AMGは当時のAMGコンプリートカーとしては異例の1,000万円を切ったモデルとなったわけです。このインパクトは大きいですよね。その結果、C36 AMGは人気モデルとなりましたし…。場所にもよりますが、街中でC36を見掛ける機会も多かったと思うんです。

2…アストンマーティン ヴィラージュ ヴァンテージ・ルマン
これは限定モデルで、私のとって憧れの1台なんです。50才になったら乗りたいクルマです。

1…マセラティMC12
独特のフォルムと12気筒ミッドシップエンジンに魅力を感じます。あとはエンツォより稀少であることも。人とは違うものに惹かれますね(笑)。

番外編…アガリの1台
現時点でアガリと考えているのは、(ここでもすごく悩んで)乗れる1台だとしたらマクラーレンF1。飾るとしたら、やはりTipo33ストラダーレですね。

──田中さんにとって、愛車はどんな存在ですか?
「いま、自分が頑張っていることへのご褒美」でしょうか。仕事をするうえで、現在はもちろん、これまでも努力を積み重ねてきました。それは当然としても、時代の流れを敏感に察知して、チャンスを掴めるかどうか?それは運なのかもしれません。こうして8Cに巡り会えたことも、若い頃、自宅にSZがやってきたことも幸運だったと思います。偶然が重なったとはいえ、こうして大好きなイタリア車と暮らせることにとても感謝しています。

深紅のアルファ ロメオ8C コンペティツィオーネ
▲イタリアを感じさせる街並みに溶け込む美しいフォルム


▲動画:アルファロメオ8C エンジンスタート〜ブリッピング音

〜オーナープロフィール〜
深紅のアルファ ロメオ8C コンペティツィオーネ
お名前:田中 洋一さん
年齢:39才
職業:会社役員
現在の愛車:2009年式 アルファ ロメオ8c コンペティツィオーネ(6速セミAT Qセレクト)
過去の愛車と現在の所有の車一覧(抜粋):
・メルセデス・ベンツ E500(W124)
・メルセデス・ベンツ E500 Limited(W124)
・メルセデス・ベンツ G500L Classic
・C36 AMG(W202)
・AMG E60 Limited(W124)
・AMG E60 Limited(W210)
・E63 AMG(W211)
・BMW Z1
・アルファ ロメオSZ
・アルファ ロメオ4C
・アバルト595 SS
・アバルト695 トリブートフェラーリ
・フェラーリ355F1
・ランチア イプシロン
・ランチア デルタ EVOⅡ Collezione
・ランチア デルタ EVOⅡ ブルーラゴス
・マセラティ クアトロポルテ エボルツィオーネ
・マセラティ クアトロポルテ スポーツGTS
…他多数。

[ライター・カメラ/江上透]

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