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更新2019.06.24

年齢を重ねて所得が増えると選択肢は狭まる?果たして「年相応」のクルマとは

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JUN MASUDA

人間とは身勝手なものである。

たとえば、若い人が高級車に乗っていると、「若者が生意気に」と言われる。
そして中年男性が、チューンしたスポーツカーに乗っていると「いい年して」と後ろ指をさされる。

つまりは「年相応」に振る舞えということになるが、これが非常に難しい。
人の好みは千差万別で、若くても地味なクルマを好む人もいれば、年をとっても童心を忘れないヤンチャな人もいるからだ。

年齢を重ねて所得が増えると選択肢は狭まる?果たして「年相応」のクルマとは

なぜ年を取って国産スポーツカーに乗ると"いい年をして”と言われるのか?



そしてボクが思うのが、たとえば40代や50代の男性が、国産スポーツカーに乗っていると「いい年をして」と表現されることが多いようだ。

たとえば、オッサンが「ホンダ・シビック・タイプR」に乗っていると確実にそう言われる。
トヨタ86やスバルBRZをチューンして乗っていても同様だ。

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それはなぜか?
オッサンは国産スポーツに乗ってはいけないのか?

こういった現象について、いつ、どうしてそうなったのかはわからない。

ただ、理由は2つあると考えている。

ひとつは「価格」だ。
一般的に、国産スポーツカーは、輸入スポーツカーに比較して割安だ(それでも最近の国産スポーツの価格上昇には驚かされるが)。

だから、若者は輸入スポーツカーではなく国産スポーツを選択する傾向が必然的に多く見られ、「若者+国産スポーツ」という組み合わせが見られる頻度が高まるにつて、「国産スポーツ=若者が乗るクルマ」と認知されるようになったのではないだろうか。

これに関連して…だが、価格が比較的安いこともあって、国産スポーツカーは輸入スポーツカーよりも台数が売れる。
そうなると中古市場にも多くのタマが出てくることになり、これもまた若者にとっては手を出しやすい選択だ。

その他、そもそもスポーツカーを購入しようと考える若者は「走り」を求め、購入後にチューンすることを考慮してクルマを選ぶ可能性もある。
そうなると、必然的に「パーツが豊富な」国産スポーツという選択になるのかもしれない。

そしてふたつ目は「デザイン」だ。輸入スポーツカーは「見た目が派手」であっても、チープさは感じられない。たとえばランボルギーニ・アヴェンタドールやウラカンは派手なクルマの代表格だが、安っぽさは微塵も感じられず、むしろ高品質さ、高級感すら感じられると思う。
このクルマにオッサンが乗っていても、「いい年をして」と言われることはまずないだろう。

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だが、国産スポーツとなると、同じ派手でも何かが違う。
シビック・タイプRは安っぽく見えるクルマではないが、これにオッサンが乗っていると「いい年をして」と言われる確率はかなり高いのではないだろうか。

その差はどこにあるのか、ボクはまだ答えを出せずにいる。

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年を取ると、乗るクルマの選択肢も狭くなる?



そういった理由で、年をとって乗れるスポーツカーは非常に少ない。「いい年をして」ではなく「いい趣味をしている」と周囲が思うようなクルマは稀である。

ボクの感覚だと、アルピーヌA110、そしてアバルト595あたりは「オッサンが乗ってもキマる」クルマだ。いや、「オッサン」にこそぜひ乗って欲しい。

年齢を重ねて所得が増えると選択肢は狭まる?果たして「年相応」のクルマとは

さらに、年を取って乗れるコンパクトカーの選択肢はいま一つ少ない。

こちらも国産スポーツ同様に、年を取ってから国産コンパクトカーに乗っていると、何らかの違和感を人々に与えることになるだろう。

だが実際は、大きなクルマもパワーが必要だから…ではなく、単に「経済的な」クルマに乗りたい、「小さな」クルマで十分だと考える人々も多いはずだ。

そういったとき、一定の年齢以上の人々がフィットやヴィッツ、マーチに乗っていると「後ろ指をさされかねない」ことになる。

年を重ねてから「他人に見られても恥ずかしくない」コンパクトカーの選択肢は非常に少ないということだが、ここは一部の自動車メーカーも「一定の需要がある」と踏んでいたようだ。

よって、マツダは過去にデミオをベースにした「プレミアム・コンパクトカー」、ベリーサを発売したことがあるが、現在は生産終了となっている。

つまりは商業的に成功しなかったとも考えられ(生産は11年も続いた)、その理由として、国産車において「プレミアム」と「コンパクト」とを結びつけることが難しかったのだろう。

日本には未だ「サイズが大きなクルマが高級」という風潮があり、冒頭で述べたように「年相応」という考え方もある。

よって、年を取った人が「小さいクルマ」に乗るということは経済的な背景を勘ぐられることにもなりかねない。

そして、そういった風潮がある限りは、人々はコンパクトカーに対して高いお金を支払うことはないだろうし、とくに「コンパクトカー=安価」という図式が成立してしまっている国産車市場においては、そもそも「プレミアムコンパクトカー」が登場すること自体が期待できない。

現時点で「ある程度の年齢を重ねた人が乗っていてもサマになるクルマ」は国産車/輸入車含めて非常に少なく、ミニ、そしてフィアット500くらいだろう、と思う。

[ライター・撮影/JUN MASUDA]

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