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更新2017.04.12

今年で40年!ナルド・サーキットが有名な理由とは?

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NAO

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1975年7月、イタリアの自動車メーカーであるフィアットが車両開発のための試験施設を提案。ちょうど長靴のかかと部分に位置する、イタリア南部の都市ナルド郊外にオープンしたのがナルドテクニカルセンター(通称ナルド・サーキット)。2015年に40周年を迎えたナルド・サーキットは、どのような歴史を辿ってきたのでしょうか?



オープン当時は、乗用車およびトラック用のテストレーンと、乗用車用のみ車両に働く力を解析するダイナミクスエリアの設備がありました。その後、1983年にトラック用も増設されました。そして1999年に、イタリアのプロトティーポグループが試験場の所有権をフィアットから引き受けた後、顧客のさらなる獲得を目指すために、合計5000平方メートルの新たな作業場とオフィススペースを建設しました。

2002年と2008年には、乗り心地と騒音対策を測定する試験レーンと、6.2kmにわたるカーブ専用のハンドリングレーンが加わりました。そして2012年5月には、ポルシェに所有権を渡り、現在に至ります。

ナルド・サーキットが有名な理由とは?


自動車メーカーの間ではもっとも有名な場所であり、伝説的な試験場と呼ばれるナルド・サーキット。その理由として挙げられるのが、都市部から遠隔された立地にあること、そして各メーカーの製品情報などを外部にリークしない非常に厳格な守秘義務契約があることです。さらに、数週間という期間でそれぞれの国の気候条件を設定でき、車のライフサイクルを調整しながらテストすることができるというのも理由の一つです。短期間でいろいろな条件を設定し、同じ場所で一度に試験できるというのが、何より大幅な時間とコストの削減につながるのです。こう見ると、企業側からすれば利点が多く、ナルド・サーキットが人気なのも頷けます。
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記録破りのナルド・サーキット伝説


全体的な構造を見ると、コースは直径4km、全長約12kmの完全な円形をしているのは、地図上でも特徴的です。幅16mの中に4つのレーンを持ち、その他、仕切られる形で内側に幅9mのレーンがあります。コースにはバンクがついており、ステアリングをほとんど切らずに走行できます。この4つのレーンはそれぞれ違った制限速度が設定されており、第一レーンの時速100km/hから、50km/h刻みで速度が高くなっていきます。

この12.6kmのコースは、今日に至るまで世界最速の円形コースと言われており、高性能車やフルスロットルの耐久性能をテストする際に最適です。その理由もあって、ナルドは数多くのレコードを出すことでも有名なのです。このナルドの地で初めて記録を樹立したのは1979年のメルセデスC111-IV。瞬間最高時速は403.978km/hと、時速400km/hのマークを見事突破しました。1982年にはポルシェ928Sが24時間走行レコードを記録。平均時速は251.4km/hで、24時間で合計6033km/hを走行しました。そして1983年に再びメルセデス・ベンツから出たメルセデス190 E 2.3-16が約201時間30分で50000kmの走行を達成し、注目を集めることとなりました。24時間レースに関しては、現在フォルクスワーゲンのコンセプトカーが平均時速323km/hで、7741kmの記録を更新しています。このようにいくつもの記録的数字がナルド・サーキットで叩き出されていることからも、伝説のサーキットと呼ばれているのです。

ナルド・サーキットの未来


「クルマが時速300km/hオーバーの性能を持つのは決して珍しいことではなくなってきた。一般生活において時速300km/hの世界は無縁のものではある。しかし、可能性、エンジニアの挑戦が続く限り、ここナルドに集う」と言われているように。

ナルドから新たな可能性が見いだされ、今日の車業界に革新をもたらす精鋭たちが再び現れる日も、そう遠くはないでしょう。

出典・出典元:http://www.auto-news.de/

[ライター/NAO]

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