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試乗レポート

更新2023.11.22

「プジョー208シエロ VS シトロエンC3セダクション」共通でありながら一緒ではない二台

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中込 健太郎

JAIAの試乗会初日、そのあとで208シエロとシトロエンC3セダクションを同時に乗る機会に恵まれました。私の記憶があるくらいの頃ですと、もう共通のエンジンや部品を用いながら、それでもたびたび比較されてきました。多くの場合「同じはずなのにそれぞれ違う」と言われてきましたね。そんなこともあって、ちょっとこの試乗は楽しみでした。

(編集部追記:当記事は過去配信した「JAIA輸入車試乗会2015」記事の改定版です)

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元気に走り回れる1199cc+5速ETGは共通な二台


最近はいろんなクルマに搭載されているこのエンジンは3気筒。1200ccですのでシリンダーあたりは400ccほどのキャパシティーを確保できている訳です。なのでそこそこトルクはあって、例によって官能的だとか、シルキーだとかを追求するエンジンではないものの、なかなか元気に走り回れるエンジンだと感じました。ただこれは、同時にエンジン自体がプレミアムではないことをも意味していて、実は小さいながら「クルマとしてのプレミアム感」「プレスティッジ」を持たせるには、クルマ全体の作り込みが必要なのだと言うことは西湘バイパスに入る手前でわかりました。

この5速ETG。オートマチックモードは低速のぎくしゃく感、正直否めません。とくに坂道の多い街で渋滞などという場面。ちょっといやですね。しかし、マニュアルモードで「サクサク」シフトチェンジして走るとなかなかこれが元気。もともとトルクがあってシリンダーが少ないエンジンらしい「元気」を体感できます。これをデフォルトで使うことをお勧めします。クラッチペダルの操作のコツなんかないんですから、楽なものです。

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現在のプジョー/シトロエンの立ち位置の問題


プジョーとシトロエンがどっちがプレミアムか。という議論はおそらく今、このクルマの日本仕様を語る上では関係ないと言ってもいいでしょう。C4カクタスも、試乗の合間にインポーターの方に伺ったところでは「もうじきいいご報告ができるかも」ということで楽しみですし、これからいろいろ充実していくとのことですが、このところ「DSライン」というコンベンショナルなシトロエンのキャラクターではないシリーズが話題の中心だったシトロエンでもありますし、ヤナセが一時長年扱ってきたフォルクスワーゲンの扱いをやめたとき、その顧客の受け皿でかなり顧客の移動もあったようですが、世界的な認識とは別に、プジョーのこの国に置ける認識というのは「プレミアムブランド」です。ですから「本来は!」と始めてもあまり意味がないと思います。

この二台ですと、価格もプジョー208シエロが253万円、シトロエンC3セダクション214万円とプジョーの方が40万円近く高価だったりします。たぶん、一車種でそれほどたくさんのグレードを準備できないので、プジョー/シトロエン「連合」での総力戦で、「絶妙なばみり」をしているのでしょう。この二台もライバルではなく、エンジンこそ同じだがすこしグレードは違うクルマ。そんな印象でした。わかりやすいところでは208では革シートになっていたり。ちなみにシエロの下に「プレミアム」というグレードもあるのですがC4セダクションよりは高価です。

シトロエンC3日本仕様にはすべて「ゼニスウィンドウ」という頭上真上くらいまで大きなフロントウィンドウがくるという仕様になっています。視界的な開放感は抜群です。対する208シエロはパノラミックガラスルーフが装備されます。(ベーシックグレード「プレミアム」には装備されません。)あとは違いとなると車重208シエロは1110kg。C4セダクションは1140kg。まあ無視はできないですが、この差をデメリットにするほどこのパワートレイン、無能ではありません。

この二台の勝負…『中込はシトロエンにバイアスがかかっている』という点がポイント


わたしはかつてBXに乗っていたりしたし、ブランドとしてもシトロエンにひいき目がある、というのはどうしても隠し通すことのできない事実です。しかしこの二台、乗ってみるとそれでも「微妙にC3セダクションより208シエロの方が上等」なのは多分多くの方にもわかっていただけると思います。私もそう思いました。

しかし、です。「40万円を余分に払う」ということと「シトロエンバイアス」を埋めるほどの魅力でもないというのも個人的には感じたこと。だからどっちか、なら私はC3かな。でもです、言いたいことで一番大事なことは208シエロの方がしっかり明確に上等であるということです。今時コンパクトなこの二台。毎日がぱっと明るくなるんです。ご飯とみそ汁じゃなく、パンとチーズ、ワインを飲んでいる人たちの作ったクルマなんです。プライベートを大事にするクルマ作りは、我々の日本人の国民性ではなし得ない「生活を楽しむ」人たちのクルマなのです。

ぜひ小振りなファミリーカーお探しの方、ぜひ注目していただきたい二台であることは強く申し上げたい点です。

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▲208シエロは天井がガラス

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▲全体的に天井は高いものの、全面の開放感はほかのクルマにはなかなかない開放感のシトロエンC3セダクションのゼニスウィンドウ

悩ましい。実に、悩ましいんだ、本当は。

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