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中古車の魅力

更新2021.05.07

気分はスポーツカー!しかし中身は質実剛健。中古市場で貴重になりつつあるフォルクスワーゲン カルマンギア

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外車王SOKEN編集部

孤高のベストセラー、カルマンギアの歴史



筆者が中学生の時の数学の先生は女性でした。「数学科に女性は少なかった」と自ら話す、たぶん30歳になったかならないかくらいの、ちょっとかっこいい人でした。


ある日先生は授業中の雑談で「自動車の運転免許を取りました!」と言って、それからしばらくして自動車で出勤するようになりました。それは、とても鮮やかなブルーのカルマンギアでした。あれはたしか1979年だったと思いますが、その頃既にかなりレトロなクルマだとみんな認識していたように思います。運転は初心者で良く切り返しをしていましたが、先生の雰囲気に良く合っていてかっこよかったのを覚えています。



▲速度計の横に並ぶのはタコメーターではなく時計


フォルクスワーゲンと言えばタイプ1のビートル、タイプ2のバス、そしてタイプ3と続くわけですが、カルマンギアは最初タイプ1をベースに製作されました。ドイツのコーチビルダー「カルマン」とイタリアのカロッツェリア「ギア」が連携して作ったので「カルマンギア」という、実にそのまんまなネーミングです。1955年7月に発表されました。


その後、1961年にはタイプ3をベースにしたものが発売されますが、どういうわけかタイプ1ベースの方が人気があったらしく、1969年には生産が終わってしまいます。しかしその間もタイプ1ベースのモデルは続いていて、1974年まで造られ続けました。また、タイプ1といえば2003年までメキシコ生産モデルが造られていたことで有名ですが、ブラジルも2013年までタイプ2を造っていました。途中でエンジンが水冷化されたりしましたが、実に「脈々と」といった感じで続いていたのですね。このブラジルでは1970年からタイプ1ベースのカルマンギア「TC」を作り始めて、これが1975年まで続きました。 



▲タイプ1から流用のヘッドライト。とても見慣れた感じが素敵


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ビートルの信頼性とスポーティでお洒落な外観が同居するカルマンギアの魅力について


1955年から1975年までの20年間、カルマンギアはブラジルモデルも含めて44万台以上造られたといわれています。その中の一台に中学校のT先生が乗っていたわけですが。


エンジンを含めたベースはタイプ1やタイプ3なので、いわゆるスポーツカーのような動力性能を持っていたわけではありません。しかし、その流麗で軽快なスタイルで「スポーツカーっぽさ」が楽しめる、ということが重要なんですね。たとえばフィアットのバルケッタなんかもベースはプントですが、あの形で5速MTのみ、という展開で見事にスポーツカーらしいクルマになっていましたし、そういう気分というのはとても大切なのでしょう。また日産のBe-1みたいに中身はマーチでもボディが変わると気分はレトロ、というのもあるわけで…そう考えるとカルマンギアはパイクカーの遠い祖先といってもいいのかもしれません。



▲40年以上の時を経て美しく輝く大型メッキバンパー


基本コンポーネントはタイプ1ですから、エンジンは空冷の水平対向4気筒、いわゆるフラット4です。4速MTと3速AT(いわゆるスポルトマチック)があったとされます。パワーは、たとえば初期の1200ccモデルでは30馬力といわれていますが、その後細かく改良や排気量アップがあったので詳細は不明です。まあ、ビートルと同じくらいのパワー、ということですね。車重は800kg台ですから、動力性能はごく当たり前の乗用車といったところでしょう。


ただし、このスタイリングでRRですから、乗ればきっと楽しいでしょうね。スポーティな気分というのは必ずしも絶対的なパワーや速度域だけで決まるものではないと筆者は常々思っているのですが、カルマンギアはまさにそういう気持ちの良さを感じさせてくれそうな気がします。



▲エンジンもラジエーターもそこにはないのだけどいい感じのエアインテーク


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上がりのクルマにも十分な1台


生産終了から40年以上経ったクルマですが、とにかくたくさん造られたこと。一生ものになり得るほどの耐用年数を誇るいい時代のドイツ車であること。基本的にシンプルで、ややこしい電子部品が使われていないことなどから、いまも普通に乗れるクルマだと思っていいでしょう。


なんせ、あの2000万台以上も造られたビートルと基本が同じですから、流用できるサードパーティの部品はいくらでもありますし、さらに言えば純正部品もまだ出ることが期待できます。長く乗ると増税になる日本とは真逆に、ドイツはクラシックカーは減税になる国なので、ビートルやカルマンギアはまだまだたくさん走ってるでしょうし、おそらくそう易々と部品の供給を止めたりはしないでしょう。


全世界にまだまだたくさんの仲間が走っているということの心強さ、ですね。



▲ウインカーがきちんと独立してオレンジ色になった大型テールランプ


新車の国産車を買っても上がりのクルマに出来るかどうかわからない今の時代ですが、カルマンギアだったらきっと一生ものの期待を裏切らないことでしょう。三年ごとに新車に乗り換えて最新の快適さというのを選ぶか、愛着のある一台と腰を据えて付き合うか。この辺りにクルマ好きの指向性と嗜好性が表れてくるような気がしますね。 

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