まさにパイクカーの元祖。中古市場でも貴重になってきている日産Be-1

バブル時代の真っただ中、「かわいい」に特化したBe-1とはいったい何だったのか?

1980年代、国産自動車はどんどん高性能化して、スタイリングもとがっていっていました。平面を基調にしたシャープでデジタルなデザインは、空気を切り裂いて走るイメージだったのでしょうか。クールでニートで(働かない若者のことじゃなくて、当時はイケてる表現だった)ナウな、直線的なボディラインのクルマが流行っていたのですね。

そんな中、突如まるで鳥山明画伯のコミックスの世界からやってきたようにデビューしたのが、この日産Be-1でした。


▲かわいくシンプル。ひたすらそれだけを追求した潔いメーター

当時頑張っていた7thスカイライン辺りとまるで対照的な、ころんと丸っこいフォルム。中身や性能以前に「とにかくかわいい」と一躍人気者になりました。

かわいいクルマというと、過去にはたとえばフォルクスワーゲンのタイプ1やタイプ2、まだしっかりと小さかった頃のミニ、スバル360など、結構いろいろとありました。しかしそれらは全てかわいらしさを狙ってあの形になったのではなく、機能や生産性を追求していくと結果的にあの形になったんですよね。機能美、という言葉がありますが、そんな感じでしょう。

ところがこのBe-1は、とにかくあの形ありきというか、もともと日産・マーチ(初代)をベースに、デザインだけを新しく作り込んで出来てきたクルマなのです。そう、つまり中身は初代マーチです。近藤真彦がCMで「マッチのマーチはあなたの街にマッチする」なんて言うてはった、あのマーチです。


▲とにかく「まる」を基調に、徹底的にこだわったデザイン

高級志向な時代から「かわいさ」や「ノスタルジー」に惹かれる時代へ

あの時代。クルマ以外に目を向けてみると、たとえばそれまでとにかく高級で高性能なイメージを追っていた「カセットテープ」のデザインが、富士のAXIAシリーズ辺りから、ハーフが透明ケースになるなど、ポップでライトなイメージに変わっていきました。またカメラの世界でも、誰でも簡単に撮れるコンパクトなAFカメラにレトロ調の外観を施したミノルタPRODや、反対にアルミの近未来的なデザインにしたオリンパスのOプロダクトなど、必ずしも機能とつながっていない外観を持った「かわいいカメラ」が限定で売られ、人気でした。

世の中全般に、行きすぎた性能第一主義にちょっと飽きがきた時期だったのか、そういう「かわいさ」や「ノスタルジー」に向かう流れというか雰囲気があったのでしょうね。


▲マルチリフレクターのクリアな眼力よりも、レンズカットの優しい眼差し

たとえば光岡自動車のクルマだとか、ダイハツのミラジーノ、ココア、スズキのラパン、ちょっと毛色は違いますがおそらくトヨタのセラもその流れかもしれないです。そういうようなノスタルジックだったり逆に先鋭的だったりという特徴的な外観を持った、外観がほぼほぼそのクルマのアイデンティティといったクルマを「パイクカー」と呼ぶのだそうです(ウィキペディアさんがそう言うてはりました)。その国産での先駆けというか元祖はおそらくこの日産・Be-1です。

また外国車でも、ニュービートルやニューミニ、フィアット500などは遠くこのパイクカーに影響を受けたとみて良いでしょう。

Be-1の成功に味をしめて、というわけでもないのでしょうが、日産はこのあともパオやフィガロ、さらにはエスカルゴといった面白いモデルを出していますね。ラシーンもその流れを感じますし、先代のマーチも特徴的なかわいい形をしていましたね。


▲テールランプもぬかりなく、かわいく仕上げられています

Be-1は楽しかったあの頃へのタイムマシーンになる、かも?

さて、話をBe-1に戻します。1987年から1988年にかけて製造・販売されました。限定10,000台、あっという間に予約がいっぱいになったのは筆者も記憶しています。直列4気筒987cc、52馬力。駆動方式はFFで3速ATと5速MTが用意されていました。全長3,635mm、全幅1,580mm。車重はなんとATで700kg、MTでは670kgでした。

当時の国産車は今と比べて総体的に軽かったのですが、現代の普通の軽自動車よりも軽く、スーパーセブンに迫るくらいのライトウエイトです。これでMTだと、かなり軽快に走るんじゃないでしょうか。


▲鉄ホイールも純正でこれだけかわいくまとまっていると、アルミホイールに交換する気がしませんね

衝突安全基準だとか、歩行者に対する衝突安全性だとか、その辺りの基準が今と比べてかなり緩かった時代の、ほぼ終わり頃のクルマです。車重の軽さ以外にも、グラスエリアが広くピラーが細めで明るく見える車内など、あの頃の楽しげな空気が車内に残っているのではないかと感じさせてくれる、そんなクルマです。

製造から30年以上、程度のいい個体はかなり貴重になってきています。80年代終わりからやってきたタイムマシーン、Be-1に乗り込んで、カセットテープから流れる音楽とともにバブルへGo!してみませんか?

[ライター/外車王編集部]

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