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中古車の魅力

更新2018.12.19

日本のモータリゼーション黎明期から脈々と続くスポーツカーの系譜。フェアレディ280Z

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外車王SOKEN編集部

まさに永遠の憧れ。フェアレディ280Zとは?




日産自動車の初代フェアレディZ(ダットサンフェアレディから名前は引き継いだものの、フェアレディZとしてはS30系が初代という見解)がデビューしたのは1969年。元々はアメリカ市場への戦略的なモデルとして開発されました。それから1978年のモデルチェンジまで足かけ10年で、全世界での販売台数が55万台、うち国内が8万台。スポーツカーとして異例にヒットしたモデルですが、同時に輸出がメインであったことも数字が示しています。

スタイリングと性能に対して価格が安かったこと、アメリカ市場を徹底的に研究して、たとえばスポーツカーとしては大きなラゲッジスペースを備えて実用性を確保したこと、取扱がイージーなオーソドックスな乗用車エンジンをベースにしたこと。そういった一つひとつが販売につながったと言えるでしょう。

また、四輪独立懸架などしっかり妥協しない設計ながら、モノコック構造によるシンプルで軽量な車体を活かして、S30はモータースポーツでも活躍しました。1971年のサファリ・ラリーではワン・ツーフィニッシュを納めています。

ある年代以上の人でしたら、赤いボディに黒いボンネットのラリー仕様のフェアレディZのイメージが印象に残っているのではないでしょうか。

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フェアレディ280Zの魅力



▲国内モデルのフルスケール180km/hメーター。シンプルで控え目

その頃流行った「サーキットの狼」でも、並み居るスーパーカーに混ざってS30のZ432Rが登場しています。これはスカイライン2000GT-Rのエンジンを搭載したモデルで、4バルブ、3キャブレター、2カムシャフトから名付けられました。さらに「R」はレース専用で、本来は公道を走れないモデルでした。「シュトコー戦闘隊・神風」の魅死魔、という今となってはもうなんと言っていいかわからないすごいキャラが乗ってました。

また、ぐっと年代は下がりますが「湾岸ミッドナイト」の主人公が乗る「悪魔のZ」も、このS30の輸出モデル、2800ccバージョンを3.1Lにスープアップしたものです。


▲助手席側ダッシュボードに斜めに配置された三連警告灯。松本零士デザイン的な迫力

1978年にモデルチェンジ、S130と呼ばれる2代目が登場します。「正常進化である」という評価がある一方、時代が進んでより快適さが求められるようになったこと、間にオイルショックを経験したことなどさまざまな影響があったためか、初代に比べて車体は大きく、重くなりました。そして、エンジンも排ガス規制の影響で幾分大人しいスペックになっています。

スタイリングはS30のイメージをしっかりと引き継いで、存在感満点のロングノーズ、かなり後方に位置するコンパクトなキャビン、後輪に乗っているようなポジションのドライバーズシートなど、まさに「スポーツカーとは、こういうことだ」といった感じのデザインです。


▲美しく上品なヘッドライト。S30から受け継がれたデザイン

そんなS130の印象深いエピソードというと、やはり「西部警察」でしょう。Tバールーフモデルをガルウイングに改造したS130から渡哲也がショットガンをぶっ放す。まるでダーティー・ハリーに円谷プロテイストをまぶしたような荒唐無稽な物語に、そのアメリカンなスタイルにどハマりでした。

S130は1983年まで生産されましたが、その最後に近い1982年には輸出仕様で2800ccのターボエンジンを搭載したモデルがありました。これは当時日本で使われていたグロス表示ではなく、欧州の規格で200ps、最高速は230km/hだったといわれています。その時点での国産市販車最速と思われます。ただしこのバージョンは国内では認可が下りず、販売されませんでした。


▲いまもしっかり水滴を弾く、艶ありピチピチの塗装

最後に、フェアレディ280Zとは


S130のデビューから40年。最後の年式からでも35年が経ちました。もはやクラシックカーと呼んでも差し支えないくらいに立派な旧車です。しかし、当時の日産車は造りがよく、きちんと整備された個体であればいまもまだまだ普通に乗れるともいわれています。まあ「普通」といっても現代の車のようにではなく、そこはしっかりと愛情をかけてやらなければならないのですが。そういう事も含めてのクルマ趣味でしょうし、またそれができるのが大人の余裕であるとも言えますね。

日本のモータリゼーション黎明期から現在まで。昭和、平成を生き抜く伝統のスポーツカー、フェアレディZ。かつて憧れていたあなたにこそ、ぜひ乗って頂きたい。

[ライター/外車王編集部]

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