生まれ故郷はポルシェ。筋金入りの高級スポーティーセダン「メルセデス・ベンツE500リミテッド」

初代Eクラス、W124のフラッグシップ・E500の魅力とは?

メルセデス・ベンツの中ではミドルクラスとされる、EセグメントのセダンがW124です。いわゆるEクラスの最初のモデルで、1985年から1995年まで製造されました。

メルセデス・ベンツが「最善か無か」の思想を掲げていた時代の最後の頃で、惜しみなくコストをかけられた黄金時代のモデルです。また、日本がバブル経済に沸いていた頃ですので、その生産台数の多さもあって、国内でもよく見かけられたポピュラーなベンツです。


▲260km/hフルスケールのメーターを、ほぼ振り切る実力を持つ

ただし、その中でE500は特別なモデルでした。メルセデス・ベンツとしてはあまり大柄ではないボディに、330PSを誇る5リッターV8エンジンを積んだ、まさに高級スポーティーセダンの魁だったのです。

R129系の500SLに積まれていたエンジンと足まわりを移植したもので、標準のW124に比べて大きく張り出したフロントフェンダーが、ただものではない雰囲気を放っていました。そう、まさにこのモデルはただものではありませんでした。

開発はポルシェのバイザッハ研究所で、生産もポルシェの工場という、後にも先にも例のない生い立ちを持った生粋のスポーツカーだったのです。ベンツを父に、ポルシェを母に。もう「ものすごい血筋」としか表現しようがないじゃないですか。


▲ワイパーが装備されるヘッドライト。メルセデス・ベンツEクラスのハイエンドモデルだ

比較的コンパクトなボディに巨大なエンジン。これが楽しくないわけがなく、また速くないわけがありません。この時代のモデルには250km/hでリミッターが設定されているのですが、きっちりその速さで走り続けることが出来る、まさにアウトバーンのキングと呼ばれるに相応しいクルマでした。


▲ハイパワーを受け止める、ワイド化されたタイヤ。標準は225/55R16

このV8エンジンは直6に比べて大きく重かったのですが、全長はむしろ短かったので、ボンネットの中でややフロントミッドシップな位置に搭載されることでマスの集中化が図られ、むしろハンドリングは軽快だったといわれています。

トランスミッションはオーセンティックな4ATです。自動的に2速発進するタイプで、有り余るパワーとトルクで充分に力強くかつ静かにスタートします。また、シフトダウンの操作をすれば1速発進も可能です。


▲やや小ぶりなテールランプと、台形に絞り込まれたトランクのライン

当時の新車価格は1500万円オーバー。そして一般的な他のモデルと比べて別次元のハイパフォーマンスを誇るE500ですが、外見上はフェンダーの張り出しが大きい程度で、もともとあまり押し出しの強くないW124ということもあり、一見すると大人しいイメージですらあります。メルセデス・ベンツはプレス発表で「羊の皮を被った狼」と発表したとされますが、まさにそれは言い得て妙です。幾分陳腐な表現ではありますが、E500を端的に現しています。

デビュー当時は500Eという名前でしたが、1994年のマイナーチェンジを機にE500に名称変更されました。またトータルで10479台生産されたとされますが、そのうち最後の500台はリミテッド・モデルでした。ブラックアウトされたウッドパネル、グラデーションの施された本革シートが特徴です。正式に日本には輸入されませんでしたが、少なからず並行輸入で入ってきたとされています。


▲リミテッドモデルだけの、グラデーションが施された本革内装

最後に、メルセデス・ベンツE500リミテッドとは

優雅で大人しい外見に秘めた強烈なパワー。ラグジュアリーとスポーティーの融合を高い次元で実現した、ポルシェ生まれのメルセデス・ベンツE500。熱い心と右足の理性を持った大人のあなたに、ぜひ。

[ライター/外車王編集部]

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