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中古車の豆知識

更新2020.09.10

10万キロ超えの車は購入しても大丈夫?10万キロは通過点か、購入・売却価値とメンテナンス

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外車王SOKEN編集部

中古車を購入したり売却したりする際に、みなさんはどんなポイントに注目しますか?中古車をはかる物差しとして、多くの人が参考にしているのが年式と走行距離ではないかと思います。近年は車の耐久性が向上し、製造後10年以上、走行距離10万キロを超えた中古車も珍しくありません。

日本において、走行距離10万キロを境に中古車価格はグッと下がりますが、購入に躊躇される方も多いのではないでしょうか?また、10万キロを超えた愛車を売却することは、現実的な選択肢なのでしょうか?この記事では、そうした10万キロを超えた中古車の売却・購入のポイントや、車の寿命と走行距離の関係、走行距離別のオススメ中古車を紹介していきます。

車で走行距離10万キロはまだ大丈夫




車は走れば走るほど部品も痛み、劣化していきます。メンテナンス不足や、経年劣化によって故障することもあります。

「10万キロ超えで車を買い換えよう」
「10万キロ超えだしこの車を買うのはやめよう」

というように走行距離が10万キロということは一般的に大きな区切りになっています。

クルマの寿命は「製造後10年・走行距離10万キロ」といわれてきたが…


一般的に、クルマの寿命は「製造後10年・走行距離10万キロ」と言われてきましたが、現在は車の耐久性が向上しているので、この限りではありません。タイミングベルト交換など、適切なメンテナンスを受けていれば、15万〜20万キロでも問題なく走行することができます。日本のタクシーに関しては40万〜50万キロまで使用しますし、海外に目を向ければ50万キロ以上走行しているクルマも数多く存在します。「車の寿命」という考え方で言えば、10万キロはまだまだ通過点に過ぎないのです。

車の寿命が延びているのは技術の進歩とメンテナンス


当然ですが昔に比べ、そもそも車の耐久性が昔に比べて大幅にあがっているということがあります。また、重要なのは、使い方や走行距離に応じて適切なメンテナンスがされてきたか、ということが一つ。もう一つは、事故や修復歴があるかどうか、ということです。1年間に3万キロ以上走るクルマと、たった3000キロしか走らないクルマのメンテナンスの方法は当然異なります。また、シャシーに影響を及ぼすような事故を起こしている中古車の場合、まっすぐ走らない等の根治できない症状を抱えている可能性があります。走行距離に関わらず、適切なメンテナンスが行われていないクルマや事故車については、購入しない方がよいでしょう。
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走行距離10万キロの中古車整備・メンテナンスとは


製品品質の向上により、20万キロは走行可能とされる現代のクルマ。とはいえ、まったくメンテナンスフリーで走ることは当然不可能です。10万キロを走ったクルマは、どのような部分に注目してメンテナンスをすればよいでしょうか。ここでは、整備するポイントや部品について説明し、10万キロ以上でも長くよい状態を保つコツを紹介していきたいと思います。

タイミングベルトは注意しましょう


10万キロを走ったクルマで、まず気を付けたいのがタイミングベルトです。メーカー公称値では10万キロ以上とされていることが多いですが、実際の走行状況によって消耗が早まっている可能性もあるので、早め早めに交換した方がよいパーツの一つです。もし消耗が進んでいなかったとしても、10万キロを超えればいつ切れてもおかしくない状況となっているので、必ず交換するようにしましょう。輸入車の場合、タイミングベルトの交換時期がもっと短い場合もあるので、マニュアルで確認するようにしてください。タイミングベルトではなくチェーンを採用し「メンテナンスフリー」を謳っていることもありますが、チェーンの伸びや歯欠けが発生している場合もあるので、点検や必要に応じて交換を行っておきましょう。タイミングベルトが走行中に切れた場合、エンジンブローを起こしてエンジンが深刻なダメージを負い、修理費用が高額になることが考えられます。

エンジンマウントが劣化している可能性


10万キロを走ったクルマで、振動が多いと感じるときは、エンジンマウントが劣化している可能性があります。エンジンマウントはゴムでできた部品で、エンジンとボディの接続部分に取り付けられ、エンジンの振動がボディに伝わらないようにする働きがあります。過酷な走行をしていた場合は5万キロでも消耗している場合もあるので、10万キロを超えた場合は交換しておきましょう。

燃料フィルターも必ず交換しておきたい


燃料フィルターも必ず交換しておきたいパーツです。ガソリンに混じるゴミや水分をエンジンに届く前にカットする働きがありますが、目で見ても詰まっているかどうかが判断できないため、マニュアル通りに、できればメーカー推奨値の半分のタイミングで交換するのがオススメです。他にも、ウォーターポンプ、バッテリー、スパークプラグを交換しておくと安心して走行できるでしょう。

オートマ、マニュアルミッションについて


オートマチック、マニュアルミッションともに、10万キロの走行時点でこれまでどういった乗られ方をしてきたかが、かなり状態の差としてあらわれてきます。異音、クラッチの滑り、ミッションオイルの交換など、チェックするポイントは多いので修理業者の方とよく相談しましょう。

念のため足回りも要チェック


足回りも、一度きちんとメンテナンスしておきましょう。ショックアブソーバーとブッシュ類の交換をし、アライメントも調整まで行えば確実で、走りは見違えるほど安定することでしょう。また、ブレーキパッドやローターの点検、ブレーキフルードの交換、車軸のボールベアリングの交換、ドライブシャフトブーツの交換を行えば長く安全に走行できるようになります。

補足:中古車購入時のメンテナンスの安心ポイント


ここでは、中古車を購入する際に、すでにメンテナンスされていると安心なポイントを走行距離の目安を挙げながら紹介します。消耗品については早めに交換することで未然にトラブルを回避できますが、整備履歴を見てあまりに頻繁に交換していたり、極端に早いタイミングで交換していたりする場合は、その部分に欠陥が潜んでいる可能性があります。そうした中古車はリスクが高いので購入は避けた方がよいでしょう。

■足回り・ブレーキ回りの見直しタイミング
a. ブッシュ類(見直し時期:7万キロ)
b. ブレーキホース(見直し時期:7万キロ)
c. ショックアブソーバー(見直し時期:7万キロ)
d. ブレーキキャリパー(見直し時期:10万キロ)
e. ダストブーツ(見直し時期:10万キロ)

かつては5万キロで見直し、と言われていた部品も、現在は寿命が延びて7万キロが目安になっていることが多いです。ブッシュ類の交換費用はだいたい5万円から、ショックアブソーバーの交換費用は6万円からと比較的高価なので、事前に交換されていればかなりお得、ということになりますね。

■エンジン回りの見直しタイミング
a. Vベルト(見直し時期:7万キロ)
b. オルタネーター(見直し時期:7万キロ)
c. タイミングベルト(見直し時期:10万キロ)
d. ラジエターホース(見直し時期:10万キロ)
e. エンジンマウント(見直し時期:10万キロ)

エンジン回りでとくに気を付けたいのがタイミングベルトです。切れるとエンジンが大きなダメージを受けるので修理費用が高額になってしまいます。タイミングベルトの交換費用は2万円からですが、10万キロ以上の中古車で未交換なら、必ず交換するようにしましょう。また、すでにタイミングベルトを交換している中古車は、かなりお買い得と言えます。

※車両によって異なりますので、あくまで参考までに覚えておくとよいでしょう。

走行距離10万キロの中古車の売却ポイント、購入ポイントと年式の関係性




中古車を選ぶ上で、年式と走行距離のバランスを見ることは、重要なポイントの一つです。目安とされているのが「1年間で1万キロ走行」で、それより走行距離が長いか短いかで判断するのが一般的です。クルマは定期的に動かし、定期的にメンテナンスをする方が良い状態を保つことができます。ですから、使用年数に比べて走行距離が少ないから、といって「程度が良い中古車」と単純に判断することはできません。逆に走行距離が長いから「程度が悪い中古車」とも断言できないのです。

新車から5年落ちで1万キロも走っていないような中古車は、ガレージや倉庫で長期間放置されていた、日常的に車を動かすことがなかった、などといった経緯が考えられます。そうした場合、オイル系やブッシュ類の劣化が進んでいたり、エンジンやエアコンにも不調をきたしていたりと、多くのトラブルが潜んでいる可能性があるので、購入の際には注意しましょう。

ここからは、年式別に10万キロ走行した中古車のケースを解説していきます。

走行距離10万キロ10年落ちのクルマ購入のポイント


走行距離10万キロ10年落ちのクルマ、となると、コンスタントに1年間1万キロのペースで走ってきた計算になります。定期的なオイル交換は必須として、必要な部品交換がされていたり、特に事故歴などがなければ、安価にまだまだ走れるクルマを手に入れることができるでしょう。年式の古さが気にならなければ、かなりおすすめの選択肢です。

走行距離10万キロ10年落ちのクルマ売却のポイント


この状態の車を売却する場合は、一部の高級車や希少車を除いて、ディーラー下取りでの値段が付かない可能性があります。ただし、今まできちんとメンテナンスをしてきた履歴が残っていたり、丁寧に使われてきたことが一目でわかるような外内装であれば、現在の価値を適正に判断してくれる中古車販売店が見つかるかもしれません。10万キロを超えていても、クルマの寿命はまだまだ先です。即廃車にしたりせず、高い査定をしてくれる業者を根気よく探してみましょう。

走行距離10万キロで3年落ちのクルマ購入のポイント


このクルマの場合、1年間に3万3000キロ以上走っていることになるので、かなりハードに使われていることがわかります。法人登録されて、定期的にメンテナンスされていたクルマならともかく、個人所有でこうした距離を走破しているクルマを購入する場合は、メンテナンスの履歴をしっかり確認して、その時期に応じた部品交換等がされているかチェックしましょう。

走行距離10万キロで3年落ちのクルマ売却のポイント


走行距離10万キロで3年落ちのクルマを売却する場合は、ほぼ現行モデルということになるので、「10年落ち10万キロ」の場合より査定額が高くなる傾向にあります。ただし、10万キロを境に査定額は大幅にダウンするので、メンテナンス履歴などをフラットに判断してくれる中古車販売店を探して、少しでも高く売れるようにするとよいでしょう。

走行距離10万キロ前後の愛車売却時のその他ポイント


走行距離10万キロ前後の愛車を売る場合、愛車の人気や希少性、年式や今まで行ったメンテナンス履歴、現在の外装や内装の状態などで、金額にかなりの差が付くことが考えられます。また、「餅は餅屋」という言葉通り、愛車と同ジャンルのクルマを専門に扱っている中古車買取店では、大手の中古車販売よりも高値で買い取ってくれる可能性があります。少し手間と時間ははかかりますが、大切な愛車とのお別れを納得のいくものにするために、高値で買い取ってくれる業者を探してみましょう。

車の年式・走行距離と査定額についての参考:車の走行距離や年式で査定額がどのように変わるのか。ターニングポイントと高額査定のコツとは
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中古車購入時におけるベストな走行距離の考え方


中古車を買う際、走行距離を一つの目安にした場合に、どのくらいの走行距離のクルマを選んだらよいのでしょうか?ここでは、ユーザーが重視するポイント別に、オススメの走行距離の中古車を紹介します。走行距離を縦軸に、年式を横軸に考えると、あなたにとってベストの選択肢が見つかりやすくなります。この項目を読めば、どの走行距離のクルマを選べばよいか、もう迷うことはありません!重視する項目別におすすめの走行距離は以下のとおりです。

とにかく安くクルマを購入するなら10万キロ〜の中古車


今までご紹介してきた通り、10万キロ以上走行しているクルマでも、適切なメンテナンスをされていれば走行に不安はなく、まだまだ走行可能です。日本では10万キロを一つの区切りとして見ている傾向が強く、10万キロを超える中古車は値段がグッと下がります。予算はないが壊れないクルマを探している、再び売却することはとりあえず考えていない、という方にはオススメの選択肢です。

安全性の高さと価格のバランスを考えるなら、走行距離が5万〜9万キロの中古車


だいたい5年〜10年落ちまでのクルマの多くが当てはまる走行距離が、5万〜9万キロくらいではないでしょうか。新車登録から2回目の車検を通した直後のクルマが売りに出ていることも多く、安全性の面でも不安がない中古車が多いのも特徴です。また、市場に出回っているクルマの数も多いので、値段もかなり下がっていますし、多くの選択肢の中から選べるというのも大きなメリットと言えるでしょう。

5万キロ超えの中古車のメリットは、車両価格が安いことと、市場に出回っている数も多いので選択肢が広がることの2点です。1年に1万キロ走行すると仮定すると、新車登録から初回車検3年を経て、次の2年後の車検前に手放す方が増えるので、市場に出回る5万キロ超えの中古車の数はそのタイミングで増加します。5年落ち、走行距離5万キロであれば、安価かつ安全に、その後5年は余裕を持って乗ることができるでしょう。逆に走行距離5万キロ超え中古車の注意点は仮に5年落ち、5万キロ超えの中古車を購入し、5年乗ったとすると、車を手放す際の売却価値はほとんどなくなってしまいます。高級車であったり、希少なスポーツカーであったりした場合はその限りではありませんが、5万キロ超えの中古車のリセールバリューは期待できない、と考えていた方がよいでしょう。

外装の綺麗さや、クルマの新しさを重点に置くなら走行距離が3万〜5万キロ未満の中古車


走行距離3万〜5万キロ未満のクルマの多くは、初回の車検後〜2回目の車検の前に売りに出されています。価格は他の例に比べて高価ではありますが、外装のキズやヘコミも少なく、内装も綺麗に保たれている個体も多いので、新車は買えないけれど、できるだけ新車に近い綺麗なクルマが欲しい!という方にはオススメの選択肢です。ただし、3万キロ以下の走行距離であっても、極端に年式が古いクルマはブッシュ類などの劣化が進んでいるかもしれません。購入時には細かくチェックしましょう。

走行距離以外の中古車の価値を見定めるポイント




中古車は新車と異なり、店頭に並ぶ前に必ず誰かに使われています。よって、次のようなリスクが考えられます。走行距離以外にも以下の内容を注意する必要があります。

a. 故障車
b. 修復歴車(事故車)
c. 水没車
d. 塩害車
e. 雹害車・雪害車

海辺の近くで使われていたクルマは塩害の影響を受けている可能性が高いですが、それを見抜くのはなかなか困難です。水没車に関しては修復歴には含まれないので、販売時に申告せず売られている可能性もあります。こうしたリスクを回避するためには、信頼できる販売店を探すか、クルマに詳しい方と現車を見に行くしかありません。低走行車両であっても当然こうしたリスクはあるので、購入時にはじっくりと腰を据えてチェックしましょう。
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10万キロ超えでも問題なし


ここまで、走行10万キロの中古車について、購入時や売却時についてのポイントを解説してきました。10万キロを超えてもまだまだクルマの寿命は先なのに、気に入った愛車を手放したり廃車にしてしまうのはもったいないことですよね。

日本では、1台のクルマを長く大事に乗るという文化があまりないですが、ヨーロッパでは数十年に渡って同じクルマに乗り続けることも珍しくありません。日本はヨーロッパに比べて高温多湿で、かつ激しい交通渋滞などもあり、単純な比較はできませんが、10万キロ程度の中古車ならまだまだ現役で活躍できます。この記事が走行距離10万キロの中古車を売ったり、買ったりするときの一助となれば幸いです!

[ライター/外車王編集部]

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